前回記事:
中国・貴州省の山奥の村で、侗族のおじいさんの家に泊めてもらった 中国大陸版【田舎に泊まろう】 - しぼりたてチャイナ
前回に引き続いて、中国・貴州省の山奥にある、Google Mapで見つけたいい感じの村を目指して山道を進んでいきます。
高速鉄道榕江駅からマイクロバスで一路北上、だんだん山奥へと入り込んでいきます。
しばらく進むと、川沿いの開けた土地に侗族(ドン族)の村がちらほら見られるようになってきました。
マイクロバスを乗り換えるために途中した寨蒿村です。味がありますね。
漢族の民家とは明らかに異なった建築様式です。木造で、屋根の下側が吹き抜けになっています。洗濯物や野菜を中で干していました。この辺りの雨の多い気候に適した造りだとわかります。
川沿いへ出ると、渡し舟のおじさんがいました。少し見ているとお客さんが来て、川を渡っていました。
Google Map で衛星写真をみると、私のいるところのすぐそばに橋がかかっています。それではなぜ渡し舟があるのでしょうか。
上流をみると、石の橋が橋げたのみになっています。増水時に流されてしまったのでしょう。
マイクロバスを乗り継いで、さらに山奥へ入っていきます。
ちょうど清明節の三連休の始まりだったので、田舎へ帰る若い高校生や学生が主な乗客でした。
そして、
榕江駅から2時間ほどバスに乗ったところで、ついに目標としていた育洞村に着きました!
それがこちらです。
うーーん。確かに伝統的な木造建築が密集した、山奥の川沿いに開けた村ではあるのですが、、。自分勝手に中世そのままの村落を見られると思っていたので、少し拍子抜けしてしまいました。
写真でもわかりますが、二階部分は木造のまま、一階部分はレンガやコンクリートで固めているお宅もあります。
道もコンクリートでしっかり舗装されています。
各お宅の前に薪がたくさん積んでありますが、ガスよりも薪を多く使うんでしょうね。実際、ほのかな煙の匂いが村を包んでいました。
家の隙間から、ドン族の特色である、「鼓楼」です。お祭りの時、村の会議を開くときなどあそこに集まるそうです。
ドン族ではひとつの村にいくつかの「鼓楼」があるのが一般的なんだそうです。
ちなみに、中国南方部の少数民族の村は一般的に「村」ではなく「寨」という字を使います。「寨」は日本では「砦(とりで)」という異体字が使われます。
古くから中国の中央王権についたり離れたりを繰り返し、ときに地の利を生かして反乱を起こした南方少数民族。「砦」という呼び方もなかなか味があっていいですね。
道端で「黄さん」一族の集会が開かれていました。このときはまさに清明節。中国各地で一族が集まって先祖のお墓を清めに行きます。
このマイクを持ったおじさんは、いい奥さんといい棺桶がどうのこうのと言っていました。
さて、村の人にジロジロ見られながら(リュックを背負っているので、すぐ旅行者だとバレる)一通り村を歩き回ると、太陽はもう山に沈もうとしていました。
と、ここである問題が発生しました。
泊まる場所がない
まあ毎度のことなんですが。
泊まる場所がない上での何か一歩踏み込んだ交流ができればいいなと
村では一応「旅館」の看板を2回見かけたものの、一体どこにそんな建物があるのやらわからず。
まあ、そのへんの人に聞けばいいんですがね。
しかしなぜかここで引っ込み思案が発動してしまい、人に聞く元気もなくなってしまいました。
さて、引っ込み思案のままどこへ行けばいいのやら。
実のところ、この育洞村に着いたときから、もっと山の奥にある、さらに原始的な村に行ってみたい、と思っていました。
そこでなんとなく Google Mapを開いてみると、育洞村の左上、ちょうど歩いていけそうな距離の山中に1つ村を見つけました。村から直線距離で4kmくらいでしょうか。
こんな感じの村です。この数戸しか家がない村の感じはだいぶそそられます。どんな場所なんでしょうか。
しっかり道もついているようなので、夕暮れが迫る中、なんとか行って一眼見てみようということに決めました。暗くなったら適当に場所を探して野宿すればいいやと。
育洞村を離れて、山村をめざす
村を外れて山を登って行きます。意外にもしっかりとコンクリート舗装の道がつけられていました。
山道の登り口で見つけた道案内の石碑です。これは面白い!日本でも古い街道の分かれ道には道祖神が置かれていますね。
どれも「右 朗洞,左 归林」と書かれています。「長命富貴 易养成人」と縁起のいい言葉も書いてあります。しかし簡体字で書かれているので、そこまで古い石碑ではないのだろうと思われます。
左側の山に入っていきます。
西日と棚田。この谷を登り詰めたところにあの村があるはず。
途中、畑の中に建っていた農具小屋。このあたりの民家と同じで、屋根のしたが吹き抜けになっているのが面白い。ここへ上がれば毒ヘビも防げそうなので、野宿場所候補第1号に選定。
ゆっくり道を登り続けること約1時間。ようやく人の声、何か作業する音が聞こえてくるようになりました。
そして、
村の看板が見えてきました。
「帰林寨」
この先一体どんな村が広がっているのか。泊まる場所は見つかるのだろうか。やっぱり野宿することになってしまうのか。まだ晩ご飯も食べていないし。。
この続きはまた今度。