しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、ほぼ無限に生しぼりしていくブログです

中国・貴州省の山奥の村で、侗族のおじいさんの家に泊めてもらった 中国大陸版【田舎に泊まろう】④ 侗族メシ。

 

この村のまさかのインターナショナル具合が明らかになったところで、おばあちゃんと孫が帰ってきたので、晩御飯のしたくに取りかかります。 

 

「特別なものとか用意しないでいいですよ、いつも通りでいいので」

 

とおばあちゃんに伝えて、しばらく待っていると、家中に煙の匂いが立ち込め始めました。

 

 

おお。

 

マキを燃やして料理するのか!

 

 

 

中国ではガスキッチンが普及しているのは街中だけで、田舎の方では未だにマキや石炭を使って料理しているところが結構たくさんあるのです。

 

どうやって料理しているのか興味津々だったので、厨房へ行って見せてもらうことに。

 

 

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なんと!

 

木造の床の上で直接火を起こしているではないか!

 

危ないではないか!

 

 

しかしよくよく近づいて見てみると、

 

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木の床に金属の板が埋め込まれていて、囲炉裏の役割を果たしています。

 

というか囲炉裏そのものです。

 

 

驚きました。

 

漢族の発想では、料理はかまどでするものですが、東南アジアの系統に近い侗族は、日本と同じように囲炉裏を使って料理するんですね。

 

実際この家にもかまどはあるにはあるのですが、聞いたら「ほとんど使わない」とのこと。

 

「火どこ」というのは古くから家の中では重要な位置づけにあったはずで、各地域でこれを研究していくと、新しい視点が見えてくるかもしれません。

 

 

おばあちゃん、ナベの蓋を開けて中の様子を確かめます。

 

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お肉と野菜を熱しています。(炒めると煮るの中間)

  

 

今晩の料理の解説

  

しばらくすると、今晩の料理が出来上がりました。

 

どどん。

 

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また変に詳しく解説していきます。

 

 

まずは手前右から、これは「臘肉」。

 

軽く塩漬けした後に外で干して乾燥させたお肉です。こうすると保存がきくようです。吹き抜けの2階に干してあったらしく、食事の前に下ろしてきてくれました。

 

臘肉は中国の南方地域、湖南省四川省広東省などでよく食べられています。

 

貴州省は言語的にも文化的にも四川の影響下にあるので、ここで臘肉に出会っても不思議ではありません。

 

残念なことに、このとき食べたものが豚肉だったのか牛肉だったのか忘れてしまったのですが、ネットで調べるとこの辺りは豚肉で臘肉を作ることが多い、ということなので、おそらく豚肉だったのではないかと思います。

  

 

次に、真ん中にあるのが先ほど鍋で熱していた、豚肉とわらびの料理。

 

実はこの村に来る途中、道端で何度かわらびらしきものを見かけていたのですが、シダ類の若芽は似ているものが多いため、わらびかどうか確信を得られなかったのですが、やっぱり、本当にわらびだった。

 

「これ日本にもあるよ!」

「おお、そうか!」

 

この辺りは日本と植生が近いんですね。この翌日には道端でタラの木も見かけました。中尾佐助の「照葉樹林文化圏」が頭の中に浮かんできます。

 

さらにその奥にある料理は、青菜のスープに卵を落としたもの。

 

なんの青菜でしょうか。中国の青菜は日本の青菜と比べて格段に種類が多く、細かく細かく名前がついていてややこしいので、最近は注意して見るのをやめてしまったのですが、詳しく調べていくと何か面白いことがわかるかもしれません。

 

さらに奥の小皿に盛られているのは、中国最強の調味料「老干妈」に似た自家製唐辛子調味料です。

 

これは何に合わせて食べるの?とおばあちゃんに尋ねると、好きなように何に合わせてもいいんだよ、とのこと。

 

「老干妈」も貴州で生産しているので、この辺りでは各家庭でこういう調味料を作っているのかもしれません。

 

お米は炊飯器で炊いたもので、自分で蒸して作ったものではありませんでした。

 

 

以上になります。

 

つまりパッと見たところ、ほとんど四川文化圏貴州省の漢族の食文化と同じように見えます。これといって少数民族らしい特徴があるわけではないように思われます。私が見落としているだけかもしれませんが。

 

 

それからついでなのですが、料理が置いてあるこの特徴的な三日月型の机、気になりませんか?

 

翌日ふもとの村に降りてから気がついたのですが、どこの家でもこれと全く同じ大きさ形の机が使われているのです。

 

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これは記憶の限り、中国のほかの場所では見たことがないように思います。

 

さらについでにいうと、おじいさんが夕方腰に下げていた、草刈り鎌を収納する靴下型の独特な竹かごも、このあたり一帯の人はみんなぶら下げていました。これもほかの地域では見ない気がします。

 

  

イギリスとアメリカが食卓に登場

 

さて、ご飯を食べ始めると、おじいさんがおもむろに缶ビールを開け始めます。

 

「飲むか」

 

と言って、一本渡してくれました。

 

 

見ていると、もう一本のビールをおばあちゃんに渡しました。

 

中国では女性がお酒を飲むのも結構珍しいのに、おばあちゃんもビール飲むなんて。

 

と思ってさらに見ていると、おばあちゃんはコップにビールをついで、おもむろに孫に受け渡しました。

 

孫、まだ小学校にも上がっていないのに、当たり前のようにくぴくぴとビールを飲んでいます。

 

中国ではお酒やタバコの年齢制限がないとはいうものの、あまりにも当然のようだったのでびっくりしてしまいました。

 

 

食事をしながらテレビでサッカーの試合を観戦しています。

 

山奥の村でイングランドプレミアリーグの試合を観戦しているおじいさんとおばあさん。。。

 

そういえば食事を始める前からこれずっと見ているなー、と思い、

 

「いつもプレミアムリーグ見てるんですか?」

 

と聞いてみると、案の定、

  

「見てるよー」

 

とのこと。さらに、

  

NBAの試合もいつもチェックしとるよー」

  

とおじいさん。

 

 

一体なんなんだここは笑

 

国際的すぎる。

 

 

食事の後は、孫と一緒にブロック遊びをしました。孫に、最強の飛行機を作って欲しいと言われたので、それらしき飛行機を作ってあげると、すごく喜んでくれました。

 

ビューんと離陸した後、おじいさんのところに飛んで行って自慢しに行きます。

 

小さいときにレゴ遊びに投入した無数の時間が報われたような瞬間でした。

 

 続く