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中国最北端の村を目指して 3 中国東北料理「地三鮮」 - 限りなく原汁に近いチャイナ
ハルビンから中国最北の街、漠河までは、巨大な大興安嶺の森林地帯を走る列車が1日3本ある(今年の初めまでは3本あったのだが今調べたら1本しか出てこない)。硬座が15時間で152元。
列車だと時間がかかりすぎるという場合には、ハルビンから飛行機の直航便も飛んでいる。こちらは1月頭の価格で2000元以上もしたので採用しなかったが、今この時期だと600元で買えるみたい。
個人的にはやはり、列車から大興安嶺の広大な針葉樹林を眺めながらゆっくり行きたかった。
朝焼け。緯度が高い地域はゆっくり日が昇るので、長いこと朝焼けを楽しむことができる。
カラマツなどの落葉針葉樹林と、白樺を主とする森林。
大興安嶺の大森林地帯には集落が点在している。暖房か、朝ごはんを作る煙がのぼる。
液体の存在しない世界。
乗降ドアの窓ガラスは完全に凍結してしまった。
緩やかな山脈のあいだをうねりながら進む列車。
日本人の目にはこれが山脈に見えるだろうか?
こんな山脈が南北に1200キロも続いている。イメージでいうと、札幌から東京まで、本州の2倍の太さの山脈がずっと続いているようなもの。
お昼に中国最北端の街、漠河市に到着した。
駅舎から街中までは5キロほどの距離がある。20台ほどのタクシーに声をかけられたけれど、歩くのが好きなので徒歩で行くことにする。
液体の存在しない世界。犬のうんこもダイヤモンドのように凍結していて、踏んでも蹴ってもビクともしない。つまづいたら怪我しそう。
街へ向かってひたすら歩く。
そりでものを運んでいる人もいた。
ロシア風の建築が多い街並み。
街の中心部の飲食店が集結したエリアで、「美団」を使って予約した宿に入る。
外国人は泊まれないよ、と言われるかと思ったが、大丈夫だった。
このポカポカのお部屋で一泊30元。とてもフレンドリーなご家族が経営している。
私の穴のあいたナイキのランニングシューズを見て、「そんな靴じゃ寒いよ。お店でもっとあったかいの買っておいで」と言ってくれた。
水を外に出してみた。10分くらいで凍るかなと思ったけれど、日中の気温はマイナス15度くらいあったのでダメだった。
宿のそばにある北陲市場へ。なんか変な魚が見える!
チョウザメだ!
川魚が多いですな。
当たり前のように魚が屋外に並べられている。吹きっさらしだ。
写真では伝わりにくいけれど、気温がマイナス15度なので、もちろん一匹一匹がバッキバキ、ベッキベキに凍結している。
海鮮もあるらしい。ロシア産か、遼寧省産か。
海は遠いけれど運送は楽そう。凍ってるから。
森の幸も売られている。こちらは各種キノコ。
手前はヘーゼルナッツの一種。「榛子」と言うので日本語ではハシバミかな。
奥の黒い塊は漢方に使われるおっきなキノコ、「霊芝」。
そして黒龍江の人々が愛してやまない、冬に食べるアイス。
そういえばハルビン行きの列車の中でもアイスの移動販売があった。わざわざ、この時期に、アイスを車内で売っているのがプチカルチャーショックだった。
もちろん果物もカッチカチ。凍ったいちごは美味しそう。
当たり前に屋外で売られる水産物。違和感しかない。
左はモモ、奥はナシ、右はカキ。
屋外で売られる冷凍食品。
市場のとなりには大きなショッピングモールがあった。
モール中の店という店ではあらゆる防寒グッズが売られていた。装備不足でちょっと寒かったので、ネックウォーマーと雪地靴を購入。
1時間くらい続くたそがれ。
人口7万ちょっとの小さな街だけれど、夜はしっかりライトアップ。
さあ、翌日はいよいよバスで中国最北端の村を目指すぞ。
続く
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