しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

マジかよ!中国語を勉強して初めて知った世界の地名の本当の意味

 

 

久しぶりの更新です。

 

今回は中国語で表記する世界の地名について。

 

中国語ではカタカナやアルファベットのような表音文字を使用しないため、外国の地名や人名を言うときには、ふつう漢字をあてて表記します。

 

たとえば「印度」(インド)、「马来西亚」(マレーシア)、など、単に同じ発音の漢字を当てはめて表記することが多いです。日本の昔の万葉仮名みたいです。

 

「法国」(仏)、「德国」(独)、「美国」(米)、「俄国」(露)、など、こういう大国の名前の略し方は日本語にもありますね。「英国」は日本語と表記がおんなじです。

 

 

なんだよ、ただの当て字かよ、

 

いえいえ。実は、当て字ばっかり使っているわけでも無いのです。

 

そんなことを言われてしまっては、数千年も使用されてきた中国語のプライドが許しません。

 

中には、パッと見どこの国を指しているのか全くわからないもの、誰かに解説してもらわないと訳のわからない地名表記までいろいろあるのです。

 

 

試しに、これらの漢字がどこの国を表しているのか当ててみてください。(漢字から推測できるかな)

 

1、冰岛(氷島)

2、白俄罗斯(白俄羅斯)

3、东斯拉夫(東斯拉夫)

4、象牙海岸

5、黑山

 

 

1は比較的簡単ですね。「氷の島」を英語に置きかえて、そのまま「アイスランド」です。

2は「白いロシア」と言う意味。「白い」はロシア語でビェーリ的な音なので、ビェーリロシアで「ベラルーシ」。

3は1991年に解体してしまった国です。「東」はロシア語でユーゴなので、東のスラヴで「ユーゴスラヴィア」。(今までずっと「ユーゴス・ラビア」だと思ってた)

4はフランス語の「コート・ジ・ヴォワール」をそのまま意訳したもの。英語でも「Ivory Coast」と呼ばれます。

5の国名はヴェネチア語由来だそうで、「黒い=negro」に「山=mont」でモンテネグロです。

 

 

これらは「意訳」による地名表記ということになります。現地名をそのまま翻訳して表記しているんですね〜。

 

おそらく昔の日本語でも似たような表記をしていたと思います。

 

 

これだけでも十分どこのことを言っているのかわからないのですが、中国語の中にはもっと頭の痛くなるような地名がたくさんあります。それでは次のクイズです。

 

6、旧金山

7、孟加拉

8、柬埔寨

9、海参崴

 

都市名が2つと国名が2つ書かれています。

 

6に関しては勘のいい人はわかるかもしれません。こちらはロサンゼルスです。19世紀のゴールドラッシュにちなんで付けられた名前です。そんな昔の地名を今も使ってんのかいと思いがちですが、今も現役バリバリで使われています。

 

7は標準中国語で読むと「モンジャラ」ですが、ここではポケモンではなくバングラデシュのことを指しています。何をどうしたらバングラがモンジャラになってしまうのか、気になって調べてみると、もともと中国はあの地域のことを「ベンガル」と呼んでいたらしく、「ベン」が「モン」に変化し(bとmが混同されるのは閩南語の特徴)、「ガ」が「ジャ」に変化した(標準中国語ではgaの音が無いので普通jiaに置きかえられる)という、言語学が好きな人にはグッとくる地名でした。

 

8は500年も前の明の時代から中国が使用しているカンボジアの地名だそうです。標準中国語では「ジェンプゥジャイ」。

 

9もこれまた複雑で、読み方は「ハイシェンワイ」、ウラジオストックのことです。ここは1860年以前は清国の領土だったらしく、中国語では現地民族の言葉が起源の、昔の呼び方を現在でも使用しています。

 

 

名前の起源なんて調べずになんとなく覚えてしまう単語ですが、調べてみるといろいろな背景があって面白いですね。