中国で暮らし始めて早3年。
中国は広いぞ!
中国は多様だ!
とは言っても、中国はあまりにも広く、そしてあまりにも多様なため、文章をつらつらと書き連ねて紹介しようにも、キリがありません。
そこで、中国各省のざっくりした情報をまとめて一気に紹介してみることにしました。
これさえ読めば中国の基本的な地理情報はバッチリです!
あくまで私の知っている範囲での紹介なので、若干(かなり)の情報の偏りがあるかもしれませんが、ご容赦ください。
まずは首都の北京市から。
1、北京市
・中国の政治の中心。
・元の時代から中華帝国の首都に。
・北京大学、清華大学をはじめとする名門大学が集中している。
・7つの世界遺産がある。(周口店北京猿人遺跡、万里の長城、故宮、天壇、頤和園、京杭運河、明清皇家陵寝)
・中国の国宝級の文物はだいたい天安門のとなりにある国家博物館に置いてある。
・天安門広場へ早朝の国旗掲揚を見にいくのが中国人の定番コース。
・地理気候的にちょうど農耕地域の平原と遊牧地域の高原の境界に位置するので、羊肉をよく食べる。
・数年前は大気汚染がひどかったが、ここ3年くらいで冬場の青い空が帰ってきた。
・冬場は市内各地の池や湖で天然の屋外スケートが楽しめる。
・北京ダック「北京烤鴨」は宮廷料理。北京の庶民料理といえば「豆汁儿」「麻豆腐」「焦圈儿」「爆肚儿」「炒肝」といった、ホルモン系や変に発酵した酸っぱい系など控えめなものが多い。
・夜中店が閉まるのが早すぎる。21時とか22時とか過ぎると町中が閑散とする。
・地下鉄の終電も早い。
・中国の他の都市に比べて、多様な価値観を持った人々が集まっている。
・不動産価格がむちゃくちゃ高い。
2、天津市
・歴史上も現在も重要な港湾都市。
・海沿いの塘沽に大工業地帯が広がっていて、日系企業も多数進出している。
・道路がとても広く、空も広い、解放感のある都市。
・教会などの西欧建築が街中にたくさんある。
・天津飯は決してここの名物ではない。
・本当の名物は「煎饼果子」「狗不理包子」「锅巴菜」など。
・甘栗も有名らしいがあまり聞かない。
・中国の伝統漫才、「相声」のふるさと。
・北京から高鉄でわずか30分の距離だが、北京話と天津話は明らかに違う。ただし会話ができる程度の違い。
3、河北省
・黄河の北側だから河北省。
・北京市と天津市を取り囲んでいる。
・清の時代の皇帝陵墓がたくさんある(世界遺産)。
・三国志演義で劉備と張飛と関羽が兄弟の契りを交わした涿州は河北省。
・北京との境界に新首都空港を建設中。完成すると世界最大規模の空港になる(2040年開業予定)
・「雄安新区」という「千年規模」の新都市計画が2017年に打ち出され、首都機能を一部移転して北京の過密状態を緩和するなどと言われていたが、最近はめっきり名前を聞かなくなった。
・全国統一大学入学試験、高考の競争率が群を抜いて厳しい。
・冬場の大気汚染も群を抜いて厳しい。
・北京や天津という大都市に隣接していながらも、貧困地域が多く、その旨味を十分に吸えていない。
4、山西省
・略称は晋。
・古代から歴史の舞台になってきた。
・太行山脈の西側にあるから山西省。
・ほぼ全省が黄土高原。
・石炭の生産で有名。
・気候が乾燥しているため、春秋戦国時代の遺跡など、歴史文物の保存状態がいい。
・中国で現存するもっとも古い建造物(唐代)もここにある。
・明清の時代に「晋商」と呼ばれる商人集団が全国各地で金融業や塩商売を展開して富を牛耳った。
・当時の大庭園が多く残されている。
・麺食ばかり食べるので有名(小麦の生地で作った食べ物)。
・なんでもお酢をかけて食べる(黒い陳醋)。山西人は地元を離れても実家からお酢を送ってもらって生き延びる。全国のスーパーで山西産のお酢を見かけることができる。
5、内蒙古自治区
・モンゴル族の自治区。
・面積118万平方キロメートルで、日本の3倍の面積。
・東西に長く、端から端まで2400キロメートルもある。
・主に東側が草原で西側は砂漠地帯になっている。
・草原の中に古い火山帯のあとが点在している。
・南部の黄河流域にフフホトやバオトウなどの中心都市がある。
・モンゴル人の人口比率は20%にも満たないが、それでも本国のモンゴル国よりもモンゴル人人口が多い。
・また、モンゴル国で使われなくなったモンゴル文字を今も使用している。
・これだけ面積が広いので、一口にモンゴル族と言っても言語が多様で、西側と東側のモンゴル語は言葉が通じない。
・生活様式も多様で、場所によっては羊ではなくラクダがメインだったり、または牛をメインにした半農半牧の地域もある。
6、遼寧省
・東北3省の一番南側。
・瀋陽や大連、などの大都市がある。
・歴史上様々な遊牧民族の王国がここから興り、華北に攻め入って国を作った。(遼や金や清など)
・清の時代東北3省は満州族の聖地として、漢民族は入ることができなかった。
・瀋陽には清の初期の頃に建てられた立派な瀋陽故宮がある。
・東北はその巨大な面積の割に言葉や文化が比較的均質である。
・東北と聞けばテレビでよく耳にする痛快な東北話が頭に思い浮かぶ。
7、吉林省
・東北3省の真ん中に位置する。
・長白山(2749m)は中国でもっとも有名な成層火山。山頂に火口湖がある。
・北朝鮮に隣接した部分が長いため、脱北者がよく吉林省に入ってくる。
・省会都市長春にある吉林大学がやたらでかいという話をよく聞くが、調べてみたらなんと600平方キロメートルで、大阪府の三分の一の面積に当たる。
・東北料理の真髄は「炖」。かまどの大きな鉄鍋に蓋をして弱火で煮込んだ料理。
・「铁锅炖」「酸菜猪肉炖粉条」「锅包肉」など、寒い冬に食べたいがっつりグルメがたくさん。
8、黒龍江省
・東北3省の一番北側。中国で一番北の省。
・中国最北端の村、北極村は有名な観光地になっている。緯度53度。
・黒龍江(アムール川)を挟んでロシアと国境を接している。
・中国最東端の街、撫遠市もこの省にあり、ロシアのハバロフスクと向かい合っている。
・巨大な大興安嶺山脈には豊富な森林資源と野生生物が生息していて、いくつかの北方狩猟民族も居住しているが現在狩猟は政府によって禁止されている。
・中国最大の油田がある。
・中国有数のお米どころでもある。
・省会都市のハルビン市は東清鉄道建設の際にロシア人によって建設された。街中には現在もロシア風の建築が残されている。
・冬場の寒さは厳しく、時には零下30度を下回り、市内を流れる大河、松花江が全面凍結する。
・札幌雪まつりは雪で像を作るが、ハルビンの氷雪大世界は氷で像を作る。
9、上海市
・言わずと知れた国際金融都市。
・中国経済の中心。
・都市部の人口は中国一位の2400万人。(重慶市の人口3000万人は市内農村部も含めた人口)
・中国で日本人居住者が一番多い都市。
・気候は概ね東京に近いが、冬はジメジメとして痛寒く、夏は気温が40度を超えることもある。
・物価が高い。
10、江蘇省
・南部の長江流域の各都市が一帯の経済を牽引している。
・蘇州や上海のあたりは「吳儂軟語」と言って、言葉が落ち着いていて柔らかく耳に心地いいとされている。
・この辺りで食べられている料理は日本の小さな中華料理屋さんの味にすごく近い。
・省会都市は南京。
・南京は中国を代表する古都で、歴史上いくつもの王朝がここに首都をおいた。
・現在の南京も華やかに発展している。
・蘇州や揚州では昔の古い街並みががっつり残されている。
11、浙江省
・中国国内で圧倒的に商売がうまい省。
・「お金持ち」とのイメージが強い。
・あらゆる製品の生産工場があるため、上海市や江蘇省と並んで「包邮区(ネットショッピングで送料無料)」である。
・アリババの本社が杭州にある。
・生活に関わる最新技術がここから広まっていくイメージがある。
・「小商品」つまりダイソーで売っているようなメイドインチャイナの商品はほとんどが義烏市で取引されていて、ロンドン直行の貨物列車まで開通している。
・その取引のために義烏市はムスリム商人も非常に多く、現代中国のムスリム商人の中心地ともなっている。
・現在世界中で活躍する温州商人の温州もここの省。
・南宋の時代に杭州が都になった。
・歴史上多くの浙江人が科挙試験を突破して官僚になったり、学者や作家も多数輩出している。
・魯迅も浙江省紹興の人。
・浙江、特に寧波は歴史上日本との関わりが大変深い。多くの日本の仏教僧が浙江に渡って留学したし、また浙江人も多く日本にやってきて、寺院の建設などに携わった。
・顔の見た目もなんだか日本人に似ているような気がする。
・言語の分布は非常に複雑。
・中でも温州方言は聞き取ろうにも聞き取れない悪魔の言語として悪名高い。
12、安徽省
・「安慶」の安と「徽州」の徽を合わせて安徽省。
・1661年に「江南省」が安徽省と江蘇省に分離してできた。
・上質な紙の製造が昔から有名で、江戸時代の日本でも安徽省宣州から輸入した書画紙を使用していた。
・筆や墨なども有名らしい。
・安徽省はだいたい平原である。
・項羽と劉邦の戦いや淝水之戦など、古くからよく戦地になった。
・省の北側は中国北方文化圏に属し、南側の徽州は中国南方文化圏に属する。
・周辺地域と山で隔たれた南側の徽州地域は今も独特の風習を残した徽州文化圏を形成している。
・明清の時代は山西商人と同様に「徽商」と呼ばれる商人集団が各地で鳴らしていた。
13、福建省
・福建省を侮ってはいけない。
・華僑の一大ふるさと。
・世界中ほぼどこへ行っても福建人の華僑に出会える。
・料理の味付けが中国で一番薄い。日本人からしても薄いと思う。
・ヤギ肉を重んじたり、ソーキそばに似た麺があったり、沖縄の食文化を彷彿とさせる福建料理。
・お墓の形に至っては沖縄と全く同じ亀甲墓。
・歴史的に日本との関わりが深い。特に琉球王朝とは頻繁にやりとりがあった。
・武夷山紅茶(烏龍茶)や、安溪鉄観音(緑茶)が有名。
・全土が非常に山がちな地形で、森林率は66%と中国トップである。
・方言の分布が非常に複雑難解。
・同じ省内でお互いに通じない言語がいくつも存在している。
・福建南部で話されている閩南語は華僑のふるさとということもあって、中国の一方言らしからぬ勢力を誇っている。話者人口は全世界で1億人以上いるとか。
・閩南語の歌謡曲などがとても多い。
・閩南地域は海を挟んだ台湾と言語や文化が一致する。
14、江西省
・景徳鎮、廬山、鄱陽湖などがある。
・外国人はパスポートを持っていれば、江西省各地の観光地でチケットが無料になるらしい。
・四川料理が辛い辛いと言われているが本当に辛いのは湖南料理、と言われているが、本当の本当に激辛なのは江西料理らしい。
・省の南側は客家人の居住する地域。
・南昌の近くで2011年に発見された前漢時代の海昏侯の墓から大量の文物が発掘された。
・墓のほとんどが地下水で水没していた事が腐敗や盗掘を防ぐのにむしろ役立ったらしい。
15、山東省
・太行山脈の東側だから山東省。
・広東省についで人口2位の省(9500万人)。
・海に突き出した山東半島とその付け根部分からなる。
・孔子を輩出した曲阜、大規模港湾都市である青島、華北平原を見下ろす名峰泰山、そのふもとの省会都市、済南などがある。
・一大農業地域。
・ノーベル文学賞を受賞した莫言のふるさと。小説『紅いコーリャン』の舞台。
・個人的には山東なまりの普通語が一番聞き取りづらい。
16、河南省
・黄河の南だから河南省。
・人口3位の省。
・中国古代からの歴史の舞台、「中原」のさらに中心部。
・数千年前から歴史の舞台になって栄えてきたが、交通の要所である事や平原がちな地形という事もあってしょっちゅう戦場になってきた地域。
・洛陽、開封、鄭州などの都市がある。
17、湖北省
・洞庭湖の北側だから湖北省。
・春秋戦国時代は楚の地。
・諸葛亮は劉備玄徳に呼び出される前ここで隠居していた。
・省会は武漢。
・武漢は中国で一番学生の多い都市だという。
・世界最大のダム、三峡ダムがある。
・省の西側に四川盆地と華中平原を隔てる神農架や三峡などの神秘的な山岳地帯が広がる。
18、湖南省
・毛沢東のふるさと。
・湖南料理は四川料理よりも辛い事で有名。
・激辛の追求というよりも、旨辛の追求である。
・世界自然遺産、張家界は映画『アバター』のモデルになった。
・陶淵明の桃源郷のモデルになった場所もここにある。
・西側や南側の山岳地帯に侗族やミャオ族やヤオ族などの少数民族が居住している。
・南側の山岳地帯、「南嶺」が広がり、古代から中央政権の支配が及びにくい自然の障壁となっていた。
19、広東省
・中国最大の人口、約1億人が住む省。
・家電製品、衣類,家具などの工場が集中していて、中国国内のみならず、世界の工場となっている。
・なんでも高速道路の密度が世界1位とか。
・省会都市は広州。
・広州は古く秦漢の時代から外国貿易の中心地だった。
・明の時代に海禁政策が実施され、鎖国状態になった際にもここだけは唯一貿易が許されていた。日本でいう長崎を巨大化したようなものか。
・現在はアフリカから来た商売人が広州にたくさん住んでいることで有名。
・香港からの富が流れ込んで深圳という現代都市が完成した。
・広東料理は食への追求が甚だしく、なんでも食べてしまうことで有名。
・隣接する福建人すら広東人に食べられているというネタが一時期流行った。
・点心や飲茶(ヤムチャ)文化から、刺身文化、朝から酒を飲む早酒文化などなどなんでもあり。
・広東で話されている言葉と香港で話されている言葉は基本的に同じ。外来語の言い回しなどが若干違うとか。
・広東人が全て広東語を話しているわけではない。広東省の西半分が広東語地域で、東半分は客家語地域、一番東端は潮州語地域でお互いに言葉が通じない。
20、広西壮族自治区
・本州とほぼ同じ面積。
・カルスト地形の大帝国と呼んで差し支えない。
・洞窟愛好家やロッククライマーの天国。
・世界遺産、桂林のような地形がいたるところにある。
・少数民族の人口がもっとも多い地域。
・なので中国の他の地域にない風習がたくさんある。
・毎年3月3日が休日になるのは広西だけ。
・言語の分布が恐ろしく複雑。
・広東語の方言(方言の方言)を話す地域もあれば、それぞれの民族の言語を話す地域もある。
・壮族の壮語はタイ語にそっくりだという。
・ベトナム語に近い京語を話す地域もある。
・省会の南寧市からベトナムまで車でわずか3時間。
・世界一長寿の巴馬瑤族自治県がある。
・山の中に蛇が多い。
21、海南省
・島1つでひとつの省。
・中国南端の島。
・九州や台湾とほぼ同じ面積。
・1988年に広東省から分離してできた。
・海口や三亜は中国を代表する南国リゾート。
・ココナッツの生産で有名だが、海南で買ってもさほど安くはない。
・言語の分布がとてつもなく複雑。
・小さい島にお互いに通じない方言や言語が14も存在している。
・山地には黎族やミャオ族が居住している。
22、重慶市
・1997年に四川省から分離してできた。
・一応ひとつの「市」ではあるが、北海道と同じくらい広い。
・「天府之国」四川盆地の出入り口に位置する。
・長江とその一大支流である嘉陵江が合流する地点が重慶の中心地。
・火鍋、夜景、美女が重慶の三大名物だと言われている。
・別名「山城」。
・高低差のある複雑な地形の上に高層ビル群が林立している。
・一年中霧や雲に覆われていて、あまり太陽を拝めない。
・そのため重慶人の肌は綺麗だと言われている。
・太陽が顔を出さないのに夏場の猛暑で有名。気温40度に達することもしばしば。
・重慶話はぴょんぴょん飛び跳ねる感じで、聞いてて楽しくなる。
・火鍋の他には、「重慶小麺」、「万州(巫山)烤魚」なども絶品。
・日中戦争当時、南京が陥落したのち臨時の首都が重慶に置かれた。
・日本軍は重慶を何度も大空襲した。
23、四川省
・面積49万平方キロメートルと、日本よりも広い省。
・東半分が「天府之国」、巨大な四川盆地で、西半分はチベット高原である。
・パンダと火鍋だけの省ではない。
・九寨溝や黄竜、峨眉山や楽山大仏なども有名。
・省の西側のチベット族の村や寺院なども近年観光資源として注目されている。
・四川料理は言うほど辛くない。
・どちらかというと麻辣のバランスや豆板醤を使った味の深みを重視する。
・しかし火鍋は確かに激辛である。
・省会である成都は古代から現在までずっと繁栄し続けてきた一大都市。
・地理的に外界と隔絶しているため、古くから独立国ができやすい土地柄。
・天気のいい日には成都から雪を抱いたチベット高原の山々が見渡せる。
・四川人は生活リズムがのんびりしていると言われる。
・麻雀が大好き。
・天災は少ないが地震は群を抜いて多い。
24、貴州省
・雲貴高原という、標高2000〜1000mくらいの高原地帯に位置する。
・貴州も一大カルスト地帯である。
・アジアで一番規模の大きい洞窟、双河洞がある。
・貴州方言は四川方言とほぼ同じ。
・料理の味付けもかなり辛め。
・羊をよく食べる。
・中国最高級のお酒、「茅台酒」を生産する。
・中国最強の調味料「老乾媽」(ラオガンマー)
25、雲南省
・中国西南部に位置する省。
・日本とほぼ同じ面積。
・ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接する。
・ほぼ全省が高原地帯もしくは高山地帯。
・東アジアの巨大河川、エーヤワディー川、サルウィン川、メコン川、紅河、珠江、長江は全て雲南省を通過して各地へ流れてゆく。
・温泉もたくさんある。
・少数民族の種類がもっとも多い省。
・田舎の方へ行くと今でも普段から民族衣裳を着ている人々に出会える。
・省の南半分はほとんど東南アジア。
・省会の昆明は標高2000mあるにも関わらず緯度が低いため、夏は涼しく冬は暖か。空気は澄んでいて気持ちがいい。
・老後の生活にぴったり。
・稲作やお茶の栽培は雲南省が発祥の地である、という説がある。
26、西藏自治区(チベット)
・面積123万平方キロメートル、日本の3倍以上。
・そのほぼ全域が標高3000m〜5000mの高原地帯。
・広大な高原に無数の湖が点在している。
・ラサは中国国内でも一度は訪れてみたい場所として人気。
・外国人が入域するには、許可証とガイドの同行が必要。
・古くは独立国として中華帝国に攻め入ったり、和解したりを繰り返した。
・これだけ広いので当然チベット語の中にも方言がいくつか存在する。
27、陝西省
・数千年前から中国文明の中心地だった場所。
・古くから周、秦、漢、唐などの王朝が現在の西安付近に都を置いた。
・そのため周辺にはさまざまな遺跡、名所が山ほどある。
・西安は現代都市に生まれ変わっている。
・陝西人は山西人に負けず劣らず麺ばっかり食べる。
・「涼皮」や「肉夾饃」などの陝西グルメの全国展開がすごい。
・省の北部はほとんどが黄土高原で乾燥している。
・西安の南側に標高3000mを超える秦嶺山脈が横たわっていて、南から来る湿った空気を遮断している。
28、甘粛省
・シルクロードに沿った東西に長い省。
・面積43万平方キロメートルと、やはり日本よりも大きい。。
・敦煌の莫高窟の石窟などが有名。
・南部はチベット高原の端、東部は乾燥した黄土高原。
・省の中部は河西回廊と呼ばれ、砂漠のオアシス都市が点在する。
・河西回廊のすぐ隣には祁連山脈という5000メートル級の山脈が横たわっていて、オアシスに雪解け水を提供している。
・万里の長城は甘粛省の一番西側、嘉峪関まで続いている。
・玉門関を超えると、本格的な砂漠が始まる。
・その地形の豊富さから個人的にはすごくお気に入りの場所。
・イスラム教を信仰する回族が古くから漢族とチベット族間の行商で活躍した。
・蘭州ラーメンが有名。
29、青海省
・面積72万平方キロメートルで日本の約2倍。
・中国最大の湖、青海湖があるから青海省。
・省のほとんどがチベット高原。
・中国の二大大河、黄河と長江の源流がここにある。
・広大な無人地帯、「可可西里」が2017年世界自然遺産に登録された。
・高原の厳しい自然の中でカモシカやヤク、オオカミなどが暮らしている。
・毛皮を取るためのカモシカの密猟が問題になっている。
・漢族、チベット族、モンゴル族の他に、イスラム教を信仰する回族、サラ族や、土族などが居住している。
30、寧夏回族自治区
・北海道よりも少し小さいくらいの面積。
・黄土高原とモンゴルの砂漠の境目に位置する。
・黄河沿いに中心都市銀川市がある。
・宋の時代に大いに栄えた西夏王国の古都がここにある。
31、新疆ウイグル自治区
・面積166万平方キロメートルで日本の4倍強。とてつもなく広い。
・雪をかぶった高山から草原、針葉樹林帯、砂漠まで地形が多様である。
・地球上でもっとも海から遠い場所が新疆北部にある。
・歴史上大小さまざまな王国が興っては衰退したが、大帝国は出現しなかった。
・最新の科学技術を駆使した監視体制が敷かれている。
・デパートやメシ屋へ行くのにも門のところで安全検査を受けなければいけない。
・多くの中国人が新疆はテロの頻発する危険な場所だから行かないほうがいいと思っている。
・そして実際に行ってみると、これだけの警戒態勢が敷かれているため、こんなに安全なところはない!という見方に変わる。
・ウイグル語はトルコ系の言葉である。
・ウイグル族以外にも、カザフ族やキルギス族、ウズベク族など、多くの少数民族が暮らしている。
・羊肉、レーズン、乳製品、ナン、ナツメなどを売っているウイグル族の人を全国の街中でよく見かける。
32、香港特別行政区
・だいぶ前から言われている香港の「100万ドルの夜景」は今や100万ドルどころではない。
・しかしビクトリアピークから見る夜景はそこまででもない。
・そもそもビクトリアピークはピークではない。
・香港は263の島から構成されている。
・無人島や数多くの山々など、アウトドアレジャーには欠かない場所。
・公共交通機関、特にバス網が香港の田舎の方まで隅々に張り巡らされている。
・香港島では一本の道路に地下鉄、路面電車、バス、タクシーが走る場所まである。
・飲食文化は広東文化圏に属している。
・味つけは薄め、もしくは甘め。
・大陸から来ると香港の物価の高さに辟易とする。
・ものにもよるが、飲食代はだいたい日本と同じくらいか。
・親日の人が多い。
・普通語を話すといやな顔をされることがある。
・我々の母語は広東語だ、というれっきとしたプライドがあるように感じる。
・広東語が話せないならむしろ英語を話したほうがいいかも。
33、澳門特別行政区
・面積わずか30平方キロメートル。東京板橋区と同じくらい。
・人口わずか60万人。
・1人あたりGDPが世界3位らしい。
・社会福祉制度が行き届いている。
・文化的にはやはり広東文化圏で、話されている言葉も広東語。
34、台湾省
・九州とほぼ同じ大きさの島。
・人口約2300万人。
・1662年にオランダ軍を破って台湾島を征服した鄭成功のお母さんは日本人。
・南国の島らしく、のんびりしていておおらかなイメージがある。
・どうしてそこまで親日なのかよくわからないくらい親日。
・台湾の中部はえげつないくらいの山岳地帯で3000m以上の高山が250座以上もある。
・山岳部には14の少数民族が暮らしている。(中国側では「高山族」として1つの民族として見られている)
・台湾は福建省のコピーだと言われることもある。
・多くの台湾人が福建省南部から渡って行った人々の子孫。
・学校や仕事など、公式には普通語を、普段はおとなり福建南部と同じ閩南語を話している。(一部は客家語や少数民族の言葉)
・鉄道や弁当文化など、日本らしい文化習慣がたくさん残っている。
・日本と似て地震や台風によく襲われる。
以上になります!
各省の個性や、中国のバリエーションに富んだ楽しい感じが伝わればと思います。