前回の記事、
中国大陸を安くかしこく旅行するワザ 中級篇 チケットが売り切れてしまった時 / 国内便の安い航空券 - しぼりたてチャイナ
に引き続いて、中国旅行をスムーズにするための中級テクニックをご紹介します。
今回は、バスの活用・自転車の運び方・ヒッチハイクができるのか・田舎の人に頼ってみる方法、についてご紹介します。
3、バスを活用する
近年の中国の鉄道網の張り巡らし方には凄まじいものがありますが、広大な国土を持つ中国だけあって、バスでしかたどり着けない場所がまだまだたくさんあります。
中国では、鉄道と鉄道の隙間をバス網がしっかりカバーしていて、たいていの田舎にはバスが通っています。
このバスを利用できるようになると、旅行の幅が一気に広がります。
たいていのバスは上の写真のような中型バスです。およそ20人乗りくらいでしょうか。街のバスターミナルに行って行き先と時間を伝え、チケットを購入すれば乗ることができます。
バスに乗車するにあたってはいくつかのコツがあります。
- 街に複数のバスターミナルがあって、行き先ごとに分かれている可能性がある
- チケットに席番号が書いてあるが、座席は基本自由
- バスに乗り込んでからおばちゃんが集金に来るタイプもある
- 降りたい場所が近づいてきたら、運ちゃんに降りると伝える「停一下」(ティンイーシャ)
- 道で呼び止めて乗り込んでもいい。
さらに詳しいバスの乗り方については今後また更新していきたいと思います。
4、自転車
中国国内ではここ数年で自転車ツーリング熱がますます高まってきています。こんなに広い国土ですから、ツーリングに適したルートがあちこちにあるのです。
中でも、中国チャリダーの黄金ルートとされているのが、四川省の成都からチベットのラサに向かう、国道318号線ルートです。「318行きたいなあ」と言えばたいていの人がチベットルートのことだとわかります。
片目に雪山を眺めながら草原を進み、途中でいくつもの3000m、4000m級の峠を越えながら、一路ラサを目指します。
中国の大学が夏休みになるときなど、多くのチャリダーが318に詰めかけます。最近では、夏の318は行列ができるなどと比喩されていますが、さすがにそこまでではないと思います。何せ全長2000km以上と、ルートが長いので。私の友人も昨年、仲間たちと40日近くかけてここを走破してきたそうです。
さて、そんな自転車ですが、中国ではどうやって運んだらいいのでしょうか。
- 電車に載せる
- バスに載せる
- 宅急便で送る
- 飛行機に載せる
調べてみると、この3つの方法があるようです。
1、電車に載せる。
一番手っ取り早い方法は、自転車を自分で分解してパッキングした後、直接列車に持ち込んでしまう方法です。座席が椅子なら、列車の連結部分に少しスペースがあります。ベッド付きの座席なら、ベッドの下にしまいこむことができます。この方法の難点としては、運ぶのに苦労することと、ごくたまに乗務員に運送費用を取られてしまうことが挙げられます。
他に、駅で預け荷物(托运行李)を申請する、という方法があります。列車の発車2時間前に駅で手続きをしてお金を払って申請します。上記の方法と同じく、人間と一緒に出発して、人間と一緒に下車することができる便利な方法です。難点としては、小規模な駅だとサービスを行っていない可能性があるということです。また、出発駅で載せることができたとしても、目的地の駅で預け荷物のサービスがないと、受け取ることができません。出発前にこのあたりをしっかりと聞いておくことが必要になります。
多くのチャリダーが選択するのが、第3の方法、「中铁快运」です。これは中国の国鉄が運営している運送会社で、各都市にある営業所で輸送の手続きを行います。輸送費は若干割高なものの、輸送専門の人員が貨物列車で輸送するため、預け荷物よりも自転車の損傷が少なく済むそうです。難点としては、運送時間が少しかかるため、3〜5日前には手続きを済ませる必要があるということでしょう。
2、バスに載せる
はじめにもご紹介しましたが、中国では列車が走っていない部分をバス網がカバーしています。このバスに自転車を載せることができれば田舎のほうへ行くとき、(田舎のほうで力尽きたとき)にかなり便利です。
結論から言うと、大型バスの場合は可能で、中型バスの場合はグレーです。
中国では、比較的大きな都市間を結ぶバス路線だと、観光バス型の大型バスが運行しています。大型バスだと、バス下の収納スペースに自転車を入れることができます。
私は一度、潮州から厦門まで大型バスでママチャリを運んだことがあるのですが、バス代110元に加えて、運転手さんに50元の輸送費を払いました。それが正規の値段だったかどうかはわかりませんが、言われたのでそれだけ払いました。
もしもそのバスのお客さんが多く、荷物が多い場合には、断られるか、もしくは次のバスに乗るように言われるかもしれません。
利点としては、いちいち自転車をバラさなくてもいいことです。
難点としては、どこの路線が大型バスで、どこの路線がそうでないかがあまり一概に言えないので、バスターミナルに行って聞いてみる、もしくは行って見てから判断する必要があるということです。
中型バスの場合。
中国の大部分の田舎バスがこの中型バスなのですが、中国は融通のきく社会なので。よっぽどお客さんと荷物が少ない場合は言えば自転車でも乗せてもらえるはずです。
逆に人が多い場合、もしくは、これから先で人が増えると思われる場合は断られるでしょう。
3の宅急便で送る、4の飛行機に載せる、については、日本国内と同じ感じです。
5、ヒッチハイク
日本ではたまに見かけるヒッチハイクですが、果たして中国でもできるのでしょうか。
私は挑戦したことがないのでわかりませんが、思うに中国ではヒッチハイクという旅行の方法がほとんど社会に認知されていない可能性があります。あるとき一度だけ、20kmほどの道のりを歩いていたときに、前に車が止まって、行き先同じなら乗ってっていいよ、と言われて、喜んで乗り込んだのですが、目的地のある観光地に到着したところで、30元を要求されてしまいました。さらにその後、私は、そこで宿を開いている運転手の親戚と思われる人に直接引き渡されてしまい、勝手に宿まで斡旋されてしまいました。
商売っ気のある人以外は、中国では見知らぬ人を車に乗せるという発想はそもそも出てこないのではないかと思います。
ちなみに
2009年、中国では『搭车去柏林』(ヒッチハイクでベルリンへ)というテレビ番組が放送されました。2人の若者が、カメラを回しながら3ヶ月をかけてベルリンを目指すという番組です。番組の作りがあまり中国っぽくないので結構面白いです。
ヒッチハイクをする中で、一番苦労していたのが実はスタートの北京と、その続きの西安にかけてでした。特に北京では、雨の中1日中人が捕まらず、結局友人に頼んで少し先のサービスエリアまで送ってもらうことに。
しかし西安を過ぎたあたりからは突然人が捕まりやすくなり、新疆ウイグル自治区に入ると、ウイグル人のトラック運転手などが気軽に止まってくれました。これはあくまでも2009年の状態ですが。今ではどうなんでしょうか。(彼らは、ウズベキスタンでも苦労していました。逆にトルコではすごく人が捕まりやすいみたい)
6、田舎の人はどこへ行っても素朴で優しい
都市部や観光地は商売っ気がますます盛んな中国ですが、まじの田舎のほうへ行くと、我々と同じように、アジアの素朴さをまだまだ残しています。
畑で仕事をしているおじさんに挨拶程度で話しかけたり、 世間話を少ししたりすると、一緒にお茶をしていきなよ、とか、朝ごはんを一緒に食べて行きなよ、と誘ってくれたり、ひいては泊まるところがないならうちに泊まっていきなよ、とまで言ってくれることがあります。
私も何度か甘えさせてもらったことがあります。それらについては今後また更新していきたいと思います。
以上、中国大陸を安く旅行するワザ、中級編でした。