1、チケットが売り切れた!
やばい!
どうしても乗りたかった今日の列車・高鉄のチケットが一歩遅れで売り切れてしまった。どうしよう、今日中に列車に乗らないと、後ろの計画が崩れてしまう。
そんな時には。
目的地手前の駅までのチケットを買って、まずはとにかく列車に乗り込んでしまいます。
そして車内で乗務員さんを探して、目的地までの差額を清算してもらいます。
これは中国語で「補票」(ブピャオ)といい、れっきとした合法的なテクニックなのです。
解説します。
もし買いたくても売り切れてしまった区間が長い距離の場合、座席がないのはそのうちのほんのひと区間だけで、それ以外の区間はガラガラである、という場合が結構あります。
ですので、「携程」(中国語のみ)や「Trip.com」(日本語対応)などのチケット予約アプリを利用して検索をかけて、どこの駅までならまだチケットがあるのかを調べて、そこまで買ってしまいます。もちろん一駅分だけでも構いませんが、長めに買ったほうが、座席の確保が確実です。
列車に乗ってしまったあとは、車内で乗務員さんがたまに「有需要补票的吗~?」などと言いながらまわってきますので、そこで本当に行きたい行き先を伝えて差額を支払います。手数料かからず、現金、アリペイ、ウィーチャットペイも使えます。
もし清算を済ませる前に列車を降りてしまっても、大きな駅なら改札口のそばに「补票处」と書かれた窓口があるので、そこで清算ができます。
やがてチケットが買えなかった区間に差し掛かると、席を立たないといけません。
車両のドアの付近などにスペースがあるので、適当に場所を探して立ちます。
一般的に、高鉄などでは席なしのチケット(站票/无座)は販売していないのですが、どうしても急いでいる旅客のためにこういったルートが確保されているのです。
列車番号がDで始まる動車組や、普通列車では席なしチケットを販売していますが、席なしチケットも売り切れることがあるので、そういう時にもやはりこの「補票」で乗車することができます。
2、もはや飛行機に乗る
高鉄だの動車だの普通列車だのがめんどくさいという時には、もはや飛行機に乗ってしまいましょう。
実は中国国内の飛行機のチケットは、中国の祝休日を除くとものすごく安いのです。
例えば河北省の省会、石家庄から、遼寧省の瀋陽へ行きたいとします。
まずは高鉄のチケットを見てみます。
お値段365元で、所要時間は6時間前後です。2週間も先の列車にもかかわらず、もうすでに売り切れが出てしまっています。
お値段130元前後、所要時間は10時間から13時間までいろいろです。安いのはうれしいですが、随分と時間がかかります。
最後に飛行機を見てみましょう。
安い!
しかも所要時間はたったの1時間40分!
利用客の少ない遅い時間帯の方が安いですが、案外普通の時間帯でも結構安いです。
ですので、石家荘から瀋陽へ行きたい場合、一番割に合わないのは高鉄、ということになります。
中国では現在、中規模都市にまで空港が整備されているため、飛行機での移動がますます便利になっています。
航空券が特に安いのは、春秋航空が多く発着する石家荘、上海、揚州、蘭州、武漢などの都市です。もしも出発場所の付近にこれらの都市がある場合は、列車でそこまで移動してから飛行機に乗って行っても割に合うでしょう。
春秋航空はその中でも石家庄に力を入れています。春秋航空のアプリで北京発着の飛行機を検索すると、石家荘経由の飛行機が出てきます。そしてなんと、ここで石家荘発着の飛行機を予約した場合、申請すれば北京までの高鉄代をただでプレゼントしてくれるという徹底ぶり。
ちなみに北京までは高鉄で1時間半、普通に切符を買うと128元かかります。
春秋航空以外にも安売りをしている航空会社はたくさんあるので、いろいろ研究してみてください。
私も一時期は、緑色の普通列車が一番安い交通手段だと思い込んでいたため、20時間も30時間も列車に座って移動していたのですが、最近航空券の安さを知ってからは、飛行機を多用しています。
でも、もしも景色や旅情を楽しみたいなら、やっぱり普通列車が一番ですね。