なかなかの難題でございます。
私も始めて中国へ旅行へ来たときには、よくわからないまま万里の長城で「筆」を購入した記憶があります。もしかすると一番買わなくてもいいものを買ってしまったのかもしれません。
また悩みに悩んだあげく、シルクを買わなければいけない!という衝動にかられたこともありますが、どうやら偽物も多いらしいし、なんだか近づきがたい。
日本には無くて中国っぽいお土産っていったいなんなのか。これが意外に難しくて、しばらくは何を買ったらいいのかよくわかりませんでした。
お菓子を買うにしても日本で売ってるのとあんまり変わらないし。
そんなこんなで何度か日本と中国を行き来するうちに、なんとなく、これなら中国らしいお土産かもしれない、というのが見えてきたので、今回は私のオススメのお土産3選をご紹介します。
どれも街中のスーパーで購入することができますよ。
1、お茶
テッパンですね。
中国のお茶と日本のお茶は明らかに違いますから。
中国では日本よりも産地とお茶の品種に強くこだわります。
中国でよく見かけるのが、保温瓶やガラスの水筒にお茶っぱとお湯を入れて普段から持ち歩いている光景です。そういう人に聞いてみると、「自分はどこ産の何茶をいつも飲んでいる」といったこだわりがあるものです。お茶飲みのベテランみたいでちょっとかっこええですね。
雲南のプーアル茶、武夷山の紅茶(日本でいう烏龍茶)、安渓の鉄観音、西湖の龍井、福鼎白茶などの名前をよく聞きますが、中国のお茶の種類はまだまだこれだけではありません。
「中国十大名茶」だけでもこれだけの種類がある上、これらの各地の品種の下にはそれぞれ各社の様々なブランドが競合しているから中国のお茶業界は非常に豊富であると言えます。
どこでお茶を買えばいいのか。
福建省で普段からお茶ばっかり飲んでるおばちゃんに聞いてみたら、地元のスーパーをおすすめされました。どうやらスーパーでも揃えてるところはちゃんと揃えてあるようです。
街のお茶屋さんでもいいでしょう。街のお店なら騙されたりするようなことはまずないでしょう。
世界遺産などの観光地で買うのは、その付近がお茶の名産地であることを除けばよしておいた方がいいかもしれません。品質や値段の照明ができないからです。
おばちゃんが勧めてくれたスーパーのお茶売り場がこんな感じです。
大きめの箱詰め、缶詰のお茶から、個包装のお茶まで様々に揃えてあるのがわかります。
同じ包装でも、品種やその手間のかけ具合(機械で加工したか、手作業で加工したかなど)によって値段が変わってきます。
また、お茶売り場にしっかりお茶を淹れるセットが備え付けてあって、試飲のできる場所もあります。
その他のバリエーションとして、ナツメ茶、クコ茶や、菊茶、ジャスミン茶、バラ茶など花がそのまま入ったお茶など、いろいろと選ぶことができます。
個人的におすすめなのが「青桔茶」です。
これはすだちのような柑橘の皮を乾かした中にお茶っぱを詰め込んだ商品で、パッケージも見た目もとてもおしゃれです。お茶と一緒に爽やかな柑橘の香りを楽しむことができます。
2、お酒
中国のお酒と聞くと紹興酒を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は紹興酒は中国では一般的なお酒ではありません。浙江省紹興市で飲まれている他はどうやら料理酒として使用されることが多いようです。
中国を代表するお酒といったら間違いなく白酒です。日本語ではパイチュウなどと表記されますね。贈答用などに頻繁に利用されるほか、宴会の席でもよく飲まれます。
ただ度数が30度から60度と少し高めなので、あまり若い人向きではないかもしれません。中国では若者の白酒離れがかなり進んでいます。
日本で飲んだことのある人でも、あの独特な香りが苦手、という方が多いかもしれません。値段がピンキリなので、安物は確かにまずいですが、ちょっといいやつだとめちゃんこ美味しいです。
貴州「茅台酒」、四川宜宾「五粮液」、四川綿竹「剑南春」、四川泸州「泸州老窖特曲」、山西「汾酒」、陕西「西凤酒」、貴州尊義「董酒」、安徽「古井贡酒」が「中国八大名酒」に選ばれていますが、全部白酒です。
これらのお酒はテレビでも街中でもあちこちに広告を出しているので知名度は抜群です。
この中でも皇帝的に最高級な存在なのが「茅台酒」です。500mlで一本2万円以上します。飲み終わった空き瓶ですら高額で回収する業者がいるほどです。
個人的におすすめなのが「茅台酒」の公式廉価版、「茅台王子酒」です。(約5千円)
これだけの値段で驚くべき味の深みを体験することができます。
お酒を買うのも同様に人が集まる観光地などで買うことはできるだけ避けて、街のスーパーや酒屋さんで買うといいと思います。
3、調味料
なんだかんだで我々日本人は中華料理が大好きですから、お家で本格中華に挑戦したい人などに日本では手に入りづらい本場中国の調味料を送ると喜んでもらえるかもしれません。
もしかすると料理のマンネリにひらめきと突破口を与えてくれるかもしれません。
中国の調味料は日本のものと同じ場合と、違う場合があります。日本と違うものを見てみましょう。
例えば醤油。
画面に写っているのは全部醤油です。中国各地の様々なブランドの醤油が売っていて目が回りそうです。また中国では醤油を「老抽」「生抽」に分けて明確に使い分けるためにますますわからなくなります。
唐辛子や花椒なんかを買ってみてもいいかもしれません。特に日本でもある程度の知名度が確立されてきた花椒ですが、日本で本当にビリビリくる花椒にまだ出会ったことがない、という方には中国産のものを試して見ることをおすすめします。
辛いものと言ったらこの「剁椒」が超おすすめ。刻んだ(剁)唐辛子を塩とにんにくで漬け込んだ調味料です。料理のアクセントと旨味出しにぴったりの調味料です。鮮やかな唐辛子の赤色がじわじわと食欲をそそります。
こちらは中国の伝説的調味料、「老干妈」(ラオガンマー)。一家に一本という感じで常備調味料というくらいに普及している商品です。ラベルに描いてある貴州省の普通のおばちゃんが始めた調味料ですが、今や全国の食卓に進出しています。
お豆を漬けていたり、干し肉を漬けていたり、唐辛子だけだったり、すごくたくさん種類があります。ものすごく辛いわけではないのでそのままご飯にかけるもよし、料理の隠し味として使うもよし。
そして最高の組み合わせは何と言ってもチャーハンでしょう。
旨辛四川料理に欠かせないのがこの豆板醤。唐辛子とそら豆を発酵させて作られる調味料ですが、四川人の家庭料理はこの郫县で作られた豆板醤でないとあかん!と紹介しているテレビ番組を見て、一本買って帰ったことがあります。
あとで気がついたのですが、売っている豆板醤はほとんどが郫县のものなので、郫县以外の豆板醤で料理を作る方が難しいかもしれない。
最後になります。「五香粉」。
こいつを料理に加えることで、本場の中華料理感が5倍増しになります。シナモン、ウイキョウ、ハッカク、チョウジ、花椒をブレンドして作られた、中国で広く使用されている調味料です。
ただし5倍増しになるのはあくまでも中国の中華料理感であって、日本の中華料理感が増すわけではないので、少し感覚に差が出てくるかもしれません。特にハッカクが苦手な方には向いていないかも。
以上になります。
今回おすすめしたのはあくまでも私のお土産の好みですので、みなさんも他にもいろいろなお土産を開拓していってくださいね。