しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

【新型コロナウイルスの流行】中国で飛び交うデマまとめ

 

今回の新型コロナウイルスの流行に際して、

 

中国ではやはりお決まりのように 、

 

嘘だか本当だかわからない情報が流れています。

 

 

そこでこのたび、ウィーチャットやQQなどの通信アプリを運営する中国IT大手テンセントが、

 

さかんに飛び交う情報が、果たしてデマなのか本当なのかを閲覧できるサイトを立ち上げました。

 

それがこちらです。

vp.fact.qq.com

 

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素晴らしいですね!

 

国が混乱しはじめているこの時こそ、まさにIT企業がやらなければいけない、やるべき仕事です。

 

デマが流れると人々が混乱してしまいますし、いちいち政府が出てきて公式にそれはデマ情報だと発表するのもひと手間です。

 

私としては、流れているデマがこうして一覧できるのも非常におもしろい。

 

 

それでは早速、どんなデマが流れているのか見てみましょう。

 

例えばこちらの「ニンニク水を飲めば新型コロナウイルスを治すことができる」という情報に関して、

 

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右上に「假」(デマ)という赤いハンコが押されています。

 

そして下にスクロールしていくと、科学的な視点からこれがデマである理由が細かく丁寧に書かれていて、文章の一番最後にはこの情報をチェックした薬学士の名前も書かれています。

 

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しっかりしていますね。

 

 

こんどは、ホントの情報についても見てみましょう。

 

こちらの「新型コロナウイルスは潜伏期にも感染することがある」という情報については、

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「真」(ホント)というハンコが押されています。


見てみると、「潜伏期」という概念の説明から、今回の新型コロナウイルスがもっとも活発になる時期まで、詳しく説明されています。

 

うん、すごく見やすいし、 わかりやすい。

 

 

そして「假」「真」以外にも、もうひとつ「疑」というハンコがあります。

 

こちらの「家の暖房で室温を30度まで上げたら肺炎を抑えることができる」という情報に対しては、

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「疑」というハンコが押されています。

 

これは確かにそれっぽい情報ですね。暖房を全開にして初夏のような環境を作り、のどが乾いても55度のお湯を飲むんだそうです。SARSの時も、春が来て気温の上昇とともにウイルスが死滅していったと言いますし。

 

この情報に対してはペンシルベニア大学の医学部副教授が回答しています。

 

冬の低温よりも30度の気温の方がウイルスの活動を抑えることができるというのは確実だけれども、実際にどの程度抑えられるのかはまだわかっていない、ということです。まあ、新型のウイルスですもんね。

 

室温を上げればそれなりに効果は出る可能性はあるが、くれぐれも身体が辛くなるほど暑くはしないように、だそうです。

 

 

 

こうして見てみると、デマ情報もホントの情報も、確認の取れない情報も、いろいろとあるみたいです。

 

でも、圧倒的に多いのはやはりデマ情報。

 

ちょっと下にまとめて見ました。

 

以下は全部「デマ」のハンコが押されている情報です。

 

「広州も封鎖されるらしい」

「北京も封鎖されるらしい」

「杭州も封鎖されるらしい」

「1月27日に深圳も封鎖されるらしい」

「タイの移民局が滞在希望者には2ヶ月のビザ延長をすることを発表」

「武漢からの旅行者5名が上海の建国賓館に宿泊したが、全員感染していた」

「新型ウイルスのワクチンが完成!」

「ハッカエキスがウイルスを抑える」

「明日黒竜江省大慶市で飛行機による消毒液散布を行うので外に出てはいけない」 

「唐辛子を食べると新型ウイルスの死亡リスクが下がる」

「イチゴをたくさん食べると新型ウイルスの予防になる」

「新型ウイルスはSARSウイルスが進化したもの」

「明日朝の4時から消毒液を散布するから、杭州市民は外に出ないように」

「新型ウイルスの正式名称がSARIに決定」

「鐘南山医師がウイルスに感染」

「西安の病院で感染者が逃走」

「シンガポールが武漢からの旅行客116名を拒否」

「武漢ではネットを遮断して、医療関係者が情報を公開するのを禁止する」

「花火と爆竹は消毒効果があるから、感染拡大を防ぐことができる」

 

などなどなど。もう一度言いますが全部デマです

 

  

いまは閲覧数さえ稼げればお金になる時代ですから。それっぽい内容を書いて、目を引くような見出しをつければ、そりゃあたくさんの人が見ますわな。

 

当局も監視を強めているみたいで、デマを捏造したという罪で逮捕される人も出ているそうです。

 

 

あー。デマでもいいから、学校の休み延期にならないかな。

 

 

ーーー1月29日追記ーーー

 

休み延期になりました笑

 

この2日で新たに追加された主なデマ↓↓

 

「ドライヤーをマスクに当てれば30秒で消毒できる」

「ワインが新型ウイルスに効くらしい」

「SARSはアメリカが中国に仕掛けた生物戦争で、人種滅亡計画だった」

「海鮮もウイルスを媒介することがある」

「日本が1000人の医療隊を武漢に派遣」

 

最後のデマは正しくは「中国各地の医療チームが武漢に向けて出発」。日本語は習慣的に主語を省略してしまうために、日本のニュースを見た中国人が勘違いして拡散してしまったようです。

 

 

ーーー1月31日追記 日本での違和感のある報道についてーーー 

 

ここ何日か日本のワイドショーなどのテレビ番組では、中国で伝わるデマや、感染の恐怖から変な行動に出る人などについて、時間をとって報道しているのを見かけます。

 

そもそもワイドショーを見る人なぞ、今はそう多くないのだと思いますが、それでも中国についてああいう報道をされてしまうのは腹が立つのが正直なところです。

 

突拍子もないアホみたいなデマが流れていたり、些細なことでケンカをし始めたり、そういうことが起こっているのは事実かもしれません。しかし、

 

どうしてああいうおかしな行動に出る人の映像がネット上に流されているのか?少し考えてみればわかることです。それは、中国人でもこれはおかしい、面白い、と考えるからです。何だこれ変なの、と思うからみんなカメラを回しているわけです。

 

そんなあまり日常的でない出来事を集中的に放送して「中国と中国人は今こんなに混乱している」テイストの報道をするのは何なのでしょうか、「中国」が対象だからこそする報道なのでしょうか。

 

(まあ、どうでもいい珍奇な出来事を放送して視聴者を釘付けにするのはテレビの常套手段でもあり、それがテレビの本質でもありますが)

 

日本でも電車で突然キレ始める人はいますよね。酔っ払って植え込みで眠ってしまう人もたくさんいますね。Twitterであげられたそういうおかしな映像ばかりを集めて「わあ日本はなんて乱れた国だ」なんてテイストの報道を海外でされたら、いや違うだろと思いませんか。

 

好奇の目を向けるのはいいですが、それに飲み込まれてしまわないようにしないと、ああいう人たちと一緒くたにして誤解されてしまう中国人がかわいそうです。

 

私の友人がシェアしてくる記事などに目を通しても、突拍子もないようなデマは書かれていませんし、家の様子を聞いても、親戚一同ほとんど外に出ないでおとなしく春節を過ごしているという人ばかりです。