しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

猛スピードで建設中の武漢の救急病院 建設現場の最新5G 24時間ライブ配信が予想外の大人気を呼ぶ

 

日本でもニュースになっていますが、現在武漢の郊外では2棟の病院が猛スピードで建設されています。

 

SARSの時に7日間で建設された小湯山医院をモデルに、今回はそれぞれ10日間程度の予定で突貫建設が進められているようです。

 

建設決定から現場が動き出すまでー驚愕のチャイナスピード

 

1棟目の病院は正式名称を「武漢蔡甸火神山医院」といいます。建設地には武漢の西側の郊外15キロほどの場所が選ばれました。

 

何と言っても驚くべきはそのスピード感。1月23日の午後に建設が決定されて、翌24日の夜明け前には設計図が完成、同じ日の明け方には施工が始まりました。とんでもないスピード感です。

 

予定としては2月5日に使用開始だそうで、あと4日ほどで完成することになります。完成すると新たにベット数1000が確保できるようになるといいます。

 

2棟目の病院は正式名称を「武漢江夏区雷神山医院」といい、こちらは武漢の南側の郊外が建設場所に選ばれました。

 

こちらの病院は火神山ほど報道がされていませんが、1月26日に建設が始まり、同じく2月5日に完成予定だそうです。ベット数は1600の予定だそうです。

 

 

このさすがのスピード感は、地震がないから耐震強度とかをそんなに気にしなくて良いということなのでしょうか?

 

今回の病院の建設スピードに関して、英語の優良質問サイトQuoraでもたくさん質問が上がっていて、例えば「中国はどうやったら10日以内に1000ベットの病院を立てることができるのか?イギリスだったら数年かかるところを」というような質問がいくつも出ています。

 

まあ回答を見てみるとわかるのですが、今回はどうやらみんなが想像しているような外壁までしっかり仕上げた数階建ての病院が立つわけではないみたいです。

 

平屋で、プレハブをしっかりつなぎ合わせたタイプの病院が建ちます。

 

そりゃあ早いわけです。(それでも早いですが)

 

 

ちなみにこの2つの病院の建設が発表されたときには、私のところにもウィーチャットのタイムラインで工員募集のお知らせが流れてきました。1日1300元というなかなかのお給料で少し心が動きました。

 

春節休みで人が少なくなる時期ですので、なんとしてでも人材を確保しなければいけなかったのでしょう。

 

CCTVが建設現場の24時間ライブ配信を開始!!

 

そんな突貫工事で建設中の2棟の病院ですが、27日夜からネット上でライブ配信を始めたことで、中国ではプチ話題をよんでいます。

 

私ももちろんテケテケと映像を見に行きました。リンクはこちら。

https://m.yangshipin.cn/static/2020/c0126.html?from=groupmessage&isappinstalled=0

 

入ってみるととんでもない人数がライブ映像を見ていることがわかります。その数なんと7000万人!

 

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そうなのです。みんな春節休みで実家に帰ったはいいものの、外に出れないし友達にも会えないからヒマでヒマでしょうがないのです。 家で何をしたらいいのかわからない人、やることを全部やってしまった人がこのライブ中継に集結しています。

 

少しずつ、少しずつ完成に近づいていく病院の姿をみんなで見守っているのです。

 

あれ、なんかライブ映像にしてはやけに映像が鮮明だぞ、と思って調べてみたら、なんと中国电信(China Telecom)が建設した5Gの通信設備を使用しているというではないか!

 

なるほど、これが5Gか。クリアな高画質で動きも滑らかです。

 

みんなヒマすぎて「推し」ができる

 

着々と進んでいく建設工事。

 

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深夜でも重機が休まず動き回っています。

 

現場が休み無しなら、ライブ映像のコメント欄も休んでいません。

 

こちらは各地の現場監督たち。

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(広東の監督出勤、浙江の大監督来たよ、瀋陽の監督来たよ!)

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全国各地の数百万人の現場監督が、交代でライブ画面を見て現場の監督をしている、という体です。

 

また明け方になると、

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(みんな引き継ぎだよ)

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(交代だ交代だ、急げー) 

 

というコメントであふれかえります。みんなで協力して現場監督を遂行しているのです。

 

面白い!!

 

そしてコメント欄にいるのは現場監督だけではありません。普通の観客もたくさんいます。

 

しかも、すでに画面に映るすべての建設機械にあだ名がつけられています。

 

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(フォークちゃんはどこだ)

 

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(小藍はどこ)

 

このへんはわかるのですが、中にはもっとかっこいい名前をつけられている重機も。

 

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(なんで宋高宗ひとりだけになっちゃったの)

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(呉三桂が見えなくなった)

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 (不眠、白居易見に来ないと落ち着いてよく眠れない)

 

それぞれの重機のあだ名については、ネット上にまとめ記事が上がっています。

 

宋高宗とは高層クレーンのこと、白居易とは白プレハブのことで「白色板房居住容易康复」(白いプレハブに住んで簡単に回復)の略、呉三桂にいたっては手前に映っている桂の木(モクセイ)三本組のことだとか。

 

コメント欄にはほかにも「俺の小紅はどこ行った?」「小黄が動き出した!」「藍藍は仕事行ったの?」などなど、中国ネット民のヒマ人ワールドが炸裂している様子です。

 

私が見たところでは、セコセコと動き回るフォークちゃんがやはり一番人気のようです。

 

 

ケンカが起きた

 

日本のニュースでも映像が流されていましたが、おととい1月30日に建設現場でもみ合いが発生してしまいました。

 

もみ合いになった当時もライブ配信で3000万人が視聴していたと言いますから、そりゃあみんな心配になるわけですね。

 

騒動の原因はどうやら、下水管の設置部隊が、管の設置のために掘り進めていた溝が現場への唯一の搬入道路にぶつかってしまい、そこを掘るか掘らないかでもめてしまったようです。

 

無事にしっかりと病院を完成させて、ウイルスの拡大防止に役に立てられるといいですね!