1月25日の21時に発表された、中国国内での感染者数は以下のとおりです。
確定 1372人
疑いのあるもの 1983人
回復 39人
死亡 41人
今回の新型肺炎は、潜伏期間が2週間程度と長い上に、感染しても発熱しない場合があるなど、症状が比較的軽いケースもあるため、患者の発見が遅くなってしまうのが特徴です。
こうなると、すでにウイルスは広がるところまで広がってしまっているのかもしれません。
武漢で生活していた人だけではなく、武漢を「通過したことがある」人にまで感染例が出ているようですから。
一方で、現在のところ全国の死亡者41人のうち39人が湖北省で、うち38人が武漢市です。感染者数が全世界に広まっている一方で、死亡者の分布というのは、まだほとんどが武漢市内にとどまっているようです。
死亡者の年齢について
これまでに亡くなった41人の年齢の内訳を見てみると、一番若いのが36歳の男性で、大部分の人は60歳以上の高齢者です。しかも、高血圧や糖尿病、慢性気管支炎などの病歴をあわせ持っていたことがわかっています。今のところ36歳以下の死亡例というのはないようです。
感染者の年齢層を見てみると、高齢者だけではなく若者も多く含まれてきます。これまでの感染者の中で最年少なのが、本日陝西省で見つかった9歳のお子さんだそうです。
健康であれば自宅で安静にしていれば治療できる?
こちらのサイトには、武漢の医者が新型コロナウイルスに感染してから、現在までの病状の経過をまとめた詳しい手記が出ています。(この医者は自分で運営する公衆号、つまり日本でいうブログみたいなものをもともと持っていた)
武漢同済医院心内科副教授の周寧医師の記録です。
この医者は1月17日に、ショック状態で救急搬送されてきたとある患者に接触しました。この患者は当初、12月に华南海鲜批发市场に行って熱を出したことがあることを病院に伝えなかったため、周医師はこの患者経由で感染してしまったようです。
周医師は1月20日、内科にて24時間の出勤がありました。事務室のソファの上で夜を明かしたところ、翌日の午後から強い脱力感におそわれ始めます。歩くときも「綿の上を歩いているようだった」と言います。
この時はまだ自分が発熱していることには気がつかず、夜勤明けの疲れだろうくらいにしか思っていなかったようです。
その後、車で帰路につきますが、運転中もめまいがどんどん強くなってきて、危険を感じ始めたと言います。いやな予感がした、もしかするとウイルスの潜伏期間をすぎたのかもしれない、と
帰宅してシャワーを浴びます。そして両親には、絶対に自分の脱いだ服には触れないように言い伝えます。
シャワーから出て、マスクをつけてベットに入ろうとしたときに、気持ち悪さ、下痢、強烈なめまいが次々と現れ始めました。続いて悪寒がして全身が震え始めます。体温を測ると38,9度あったそうです。
発熱、脱力、下痢に加えて、患者との接触史、鼻水鼻づまりくしゃみがないことなどを合わせて考えると、新型コロナウイルスの疑いがあることがわかりました。
その後、2重にマスクをつけて病院で血液検査を行い、新型コロナウイルス感染者と同様な特徴が出ていることがわかりました。
さらなる確認をとるために、呼吸科の教授に連絡を入れます。教授いわく、すべての状況を合わせ考えるとやはり新型コロナウイルスに感染している可能性が高いとのことでした。しかし、現在まだ呼吸困難などの症状が出ていないため、まずは落ち着いて自宅で隔離治療を行って、よく休みをとり、よく栄養をとって、2日間様子を見てから、もしも呼吸困難などの症状が出た場合は入院して治療しよう、と言われました。
1日目は実家の部屋を閉め切って、2日目からは自分が借りている部屋に移って安静にします。この期間、大量の汗をかいたため、塩をとかした白湯をたくさん飲んでいたそうです。
お湯以外にも、何種類かの抗ウイルス剤を毎日飲んでいると書いてあるのですが、医薬品に関しては中途半端な翻訳ができないので、具体的な種類についてはここでは書かないようにしておきます。
2日目の朝。やはり熱は収まらず、呼吸が少し苦しくなってきたので、また病院に行って今度はCTを撮りました。しかし肺には新型コロナウイルス肺炎特有の影が写っていなかったため、もしも感染しているとしてもまだ肺を犯すまではいかない、軽度の段階であると診断されます。
3日目に入ると体温は37度まで下がり、4日目(1月24日)の朝には36,8度まで体温が下がります。この時は、体調の不良を感じなくなっていたそうですが、しばらくしてまたすぐに咳と下痢が始まります。
おそらくは、こうして安静にしている中で、自分の現状を文章にまとめたのでしょう。
このお医者さんの最新の病状については、明日26日の更新を待つことになります。
このお医者さんは文章の末尾で読者にこのようにすすめています。「重大な持病を持っていない前提で、もし単に熱があって、脱力感があり、咳や下痢があるだけであれば、自宅で隔離療養をすることをおすすめします。少しかぜの症状があるだけで病院に駆けこむのはウイルスをもらうリスクがあるし、いまの病院はベット数の関係で、比較的重篤な患者しか入院受け入れを行っていないからです」
こう書いた上で、自宅で隔離療養をする際の注意点をいくつもあげています。
また、本日1月25日から、武漢同済医院ではオンラインでの問診も受け入れを始めたことも通知しています。これで、比較的症状の浅い患者はわざわざ病院に行って何時間も並ぶようなリスクを犯さずに済みそうです。
かぜやインフルエンザなどの症状と見分けがつきにくいとされる、今回の新型コロナウイルスの肺炎。いろいろな記録を見ていると、新型コロナウイルスの症状の1つに「歩くのに障害が出るほどの脱力」や「めまい」「下痢」というのがあるみたいですね。
ただし、私も何人かの記録を見ただけですので、他にもいろいろな症状のバリエーションがあるのかもわかりません。
ウイルスがこれ以上広がることなく、どうにか早いこと治まるといいですね!