しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

中国語学習 先生や教科書に頼らない独学の方法

 

近年ますます交流が盛んになってきている日本の隣国、中国。これだけ交流の機会が増えていることですし、中国語を勉強してみようかなと思い始める方も相当多いのではないでしょうか。会社で上司から中国語をやるように言われた、という方もいるかもしれません。

 

中国語の教室へ通うのもありですし、本屋さんへ行って、ずらりと並んだ参考書を頼りに勉強してもいいですよね。

 

しかしこの中国語学習、ある程度まで勉強すると行き詰まってしまうことがよくあるのです。初めのうちは語学教室や参考書などに頼ってぼちぼち学習していけばよいのですが、しばらく勉強してレベルが中級くらいに達したころ、ある問題が発生してしまいます。

 

 

教室も参考書もなくなってしまうのです。

 

本屋さんに並んでいる中国語の参考書をざっと眺めてもらうとわかる通り、初級レベルの参考書が多数を占めていて、中級レベルの本もそこそこに置いてあります。しかしそれ以上のレベル、HSKでいうなら6級に近づくくらいの参考書については皆無に等しいのではないでしょうか。難易度が上がるにつれて需要が少なくなってくるのはわかるのですが、英語の学習参考書がかなりのレベルまで付き添って面倒を見てくれるのに比べて、少しさみしい感じがします。

 

中国政府公認の中国語試験である、HSKの最上級6級合格に必要とされる語彙量はたったの5000。正直言ってHSK6級レベルでは、現地の学校で専門的な授業についていくことや、仕事を不自由なくこなすことに困難が伴います。(ちなみに日本語能力試験1級合格には1万語以上の語彙量が必要だと言われている)

 

参考書に限界があるならば、大学の選択授業で学べるレベルにも限界があります。そしてさらに言えば、私が現地中国で通った語学コースで学べるレベルにも限界がありました。

 

もっと勉強を続けたい場合

それでは、HSK6級程度のレベルからさらに中国語を磨きたい場合には、どういった方法があるのでしょうか。思いついたのは以下の4つの方法です。

 

1、大学で中国語専攻に進む

読む能力に関してはすごく鍛えられると思います。

 

2、同時通訳のプロコースに通う

以前に通訳学校でみっちり鍛えてもらったことがある、という人に話を聞いたことがあります。短期集中型のスパルタ教育で効果絶大だったよ、とのこと。

 

3、中国語検定の1級を目指す

HSK6級よりもはるかに難易度が高くて、毎年合格率が一桁だとか、合格者は中国人ばかりだとか、恐ろしい噂が飛び交っています。難しいのは難しいのでしょうが、私が見る限りでは、普段本の中でもあまり使われない表現なども結構出題されているようです。日本語検定で一昔前の言い回しやこれまで一度も使ったことのないような慣用句が出題されるのと似ているのかもしれません。ただ、努力をする目標としてはとてもいいのではないかと思います。

 

4、中国で暮らす

私が採用したやり方です。中国で学校に入るとか、仕事を始めてみるとか、結婚してみるとか、いろいろあるでしょう。しかし、現地へ飛べばすぐにできるようになるというわけではありません。その人の積極性によって結果は180度変わります。現地の言葉を勉強しないで何年も暮らしている人だってたくさんいるのです。

 

いかがでしょうか。どの選択肢もなんだか敷居が高いような気がしますね。人生の少し大きな決断が必要になりそうなものばかり。。

 

そこで今回は、敷居全くなし、完全無料の、私のおすすめ中国語学習法をご紹介します!

 

直接中国語のコンテンツに手を出してしまえ

もはやこれに限ります。

 

せっかくここまでコツコツ積み上げて来られたんだから、もう直接素手のまま手を突っ込んで行ってしまっても問題ないはずです。

 

具体的にどんなコンテンツに手を出すかというと、本や音楽よりも、テレビ番組がオススメです。なぜって、中国のテレビ番組は映画、ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリーに限らず全てのセリフ、ナレーションに字幕がついているからです!

 

福音!!地球上の全ての中国語学習者たちへの福音であります!こんなに外国人に優しい外国語もなかなかないでしょう。

 

中国のテレビ番組は、わざわざ中国の動画サイトへ行って長ったらしい広告を見なくても、たいてい Youtube に上がっているので手軽に見ることができます。

 

字幕を見ながら動画を視聴して、初めて見聞きした単語や、聞き取れなかった言い回しを一つ一つ調べていけば、語彙量はもくもくと増えていくはずです。動画の中の会話の一部を書き写して見てもいいでしょう。参考書のテキストや辞書の例文のような、半分死にかけの語彙とは違って、生の人間から発せられた言葉は、その場の状況や感情、雰囲気などを閉じ込めた、生き生きとした言葉なので鮮度が全然違います。動画なので映像や声なども伴って、記憶にも残りやすいでしょう。

 

辞書は引かない

ここでもう一つポイントがあります。知らない単語に出会ったとき、辞書を引く必要はありません!

 

じゃあ辞書ひかないで何で調べるの!?直接百度で検索すればいいのです!!

 

ググるのと同じ感覚で百度ってみてください。中国語のコンテンツに限っていえば、ググるよりも百度るほうが圧倒的に情報量が多いです。私はこれまでに何千回も、何万回もここで検索をかけて単語を調べてきました。(私の森羅万象の検索履歴がビッグデータとして収集されていると思うとなんだか誇らしい)

 

例えば、「看」という単語の意味がわからなかったとします。そこで百度で検索してみると、

 

f:id:xccg:20191113041604p:plain

こんな画面が出てきました。まずはじめに「百度百科」(中国語版ウィキペディア)と、「百度漢語」(辞書機能)が出てきます。

 

ただ単語の意味を調べたいだけなら「百度漢語」の方をクリックしたくなりますが、百度からあまり重視されていないのか、「百度漢語」は基本的に内容が乏しいことがほとんどです。ここでは「百度百科」のほうを見るといいでしょう。

 

百度百科」では逆にとんでもない量の、充分すぎる解説が延々と羅列されています。この単語の全ての意味と出自(つまりその用法が初めて見られる文献)、古文の例文、漢字の変遷、昔の辞書がどう解説していたか、各地の方言ではどう読むのか、歴代書道家の書き方などなど。。すごく極端ですね。単語の意味だけを知りたいのであれば、初めの部分だけ見れば良いでしょう。

 

もし解説を読んでも意味がわからない場合には、検索画面をスクロールして、「看」の含まれたいろいろな記事のヘッドラインや文章を読んで見ましょう。一つの単語において様々な例文を読むことで、その意味が推測できることが結構あります。

 

何ページかスクロールして見て、それでも意味がわからない場合があるかもしれません。そんなときは、検索欄の下側にあるいくつかのボタンをクリックして試してみましょう。

 

f:id:xccg:20191113044046p:plain

左から順に、「ニュース」「動画」「画像」です。ここまで調べてみてわからない、ということはなかなかないのではないかと思います。

 

読み方がわからなくて打ち込めない漢字については、手書き入力で検索しましょう。

 

大丈夫、もう歩けます

以前日本語を教えていたある日本語学科の学生は、いつになっても中国語ー日本語の辞書アプリを使っていました。知らない単語を直接 YahooとかGoogleに打ち込むとか、もしアクセスできないのであれば広辞苑の電子版とかを見ればいいのになあ。その言語で解説を読むのもいい練習になるのになー、せっかく日本語読めるのにもったいないなー、私はいつもそうごねていました。

 

例えて言えば、支えをつかみながらであればやっとどうにか歩けるくらいになった状態が初級レベル終了だとします。そして、支えなしでもよちよち歩きができるようになった状態を中級レベル終了だとすると、この先はもう支えに頼ったまま歩く練習を繰り返すよりかは、支えなしでひたすらに歩く実践を続けたほうが大きく伸びるだろう、ということなのです。

 

ネット検索を使えば辞書を引くよりも効率よく単語が調べられます。ネット上には流行語も時事用語もあるし、各地の地名や料理名、商品名なんかも一瞬にして調べることができます。グーグルや百度などの検索エンジンは、辞書が太刀打ちできるレベルの情報量ではないのです。検索スピードも圧倒的に早いです。

 

今回は、動画を見てネット検索すれば自分一人でも中国語勉強できるよ、ということをおすすめしました。では、具体的にどんな動画を見ればより面白く中国語が勉強できるのか、次回また記事にして紹介したいと思います。