しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

中国語学習のモチベーションとメリット きっかけはどうでもいい

 

中国語を勉強し始めてかれこれ7年になってしまいました。途中勉強しなかった期間も2、3年あるのですが、これまでかなりの部分を中国語に費やしてきたことになります。

 

現在は中国の大学で「中文系」という専門に通っています。中国文学や中国の言語学などが主な学習内容です。そろそろ新しい言語を勉強したいなあ、と思って最近やり始めた広東語なのですが、それも結局は中国語という、中国語学習の泥沼にはまってしまったような現状です。

 

今回は、現在中国語を勉強中の方や、これから学習を始めようと考えている方へのモチベーションの刺激になればと思い、私自身の中国語学習の経験や、中国語がわかるとどんないいことがあるのかなどについてまとめてみました。

 

私の中国語学習歴

私が中国語を学習し始めたきっかけは大学の第二外国語でした。当時は5つの外国語が選択できたのですが、その中でどうして中国語を選んだのか、今となっては全く思い出せません。選ぶ学生数が圧倒的に多かったからか、それとも同じ漢字に親近感が湧いたのか。たぶん何も考えていなかったのだと思います。

 

その後週に2回の授業をとり、遅すぎず早すぎずなペースで半年間勉強しました。その年の冬休みに、中国語がどのくらい使えるようになったのか試してみたくて、1人で2週間の中国旅行に出かけました。結果、中国語でいくつかの簡単な質問はできても、相手の返答が全く聞き取れないということに気がつきます。旅行のほぼ全行程を片言の英語で片付けたという、どうしようもない旅行になってしまいました。

 

それでも、北京で中国語の先生のお知り合いのお宅でご飯をご馳走してもらったり、ユースホステルで知り合った現地の友人たちにご飯をおごってもらったりする中で、今までの自分の中のイメージの中国と実際の中国がこんなに違うものか、と少なからず衝撃を受けました。そして、日常生活をしっかり楽しむ中国人と、人間味のある中国が少し好きになりました。

 

そんなこんなで大学の2年目も中国語の授業を取り、3年目も授業を取りました。かといって中国語が専門だったわけでもないので、ぼちぼちと勉強していったカタチです。途中の夏休みに、1ヶ月の短期留学へ参加しましたが、短い期間だったので学習の役に立ったかどうかはわかりません。

 

その後、せっかく基礎的なところができたんだから、ここでやめちゃもったいないな、もう少し極めてみたいな、と思い、中国の大学へ行って、1年間の語学留学をすることに決めました。現在、中国ではほとんどの大学で留学生を受け入れているため、語学留学は比較的簡単に申し込むことができるのです。

 

こうして中国北部の大学で1年間、留学生向けの中国語の授業に出ることになります。先生はみんな中国人、クラスメートはみんな外国人です。午前中授業で、あとの時間はフリー。部屋で勉強したり、友達を作ったり、出かけたりします。1年間必死に勉強して、中国社会に溶け込んで、プロレベルまで中国語を極めるという野心でいました。しかしいざ1年経ってみると、一応HSKの6級は取れたものの、それでも中国語を使って何かができるようなレベルには全く達していないことに気がつきました。

 

せっかくここまで勉強したんだから、今やめてしまったらもったいないな、またもやそういう考えが頭に浮かびました。しかし、この先もう語学の授業で中国語を勉強するのには限界が見えていました。語学コースはせいぜいHSKの6級までしか面倒を見てくれないからです。それだったら中国の学生と一緒に大学で学べば、さらに高いレベルで中国語の学習、運用ができるのではないかと考え、中国の大学に本科生として入りなおし、現在に至ります。

 

途中で勉強をやめて忘れてしまうのが怖くてここまでだらだらやってきたという感じですね。

 

私の学習モチベーション

自分で言うのもなんですが、1つの言語を何年も勉強し続けるのってなかなかできることではないと思います。私もこれまでいくつかの言語に挑戦してみましたが、中国語以外は1つも続いていません。私が中国語の学習を続けてこられたのも、もしかすると単に運がよかっただけなのかもしれません。

 

そんな私の中国語学習のモチベーションになったのは主に以下の4つです。

 

 

1、みんなが日頃何をあんなに楽しそうに喋っているのか知りたかった。

 

2、中国にはまだまだ未知が眠っている気がした。

 

3、悔しい思い出。

 

4、何かをとことん突き詰めてやってみたかった。

 

 

1、みんなが日頃何をあんなに楽しそうに喋っているのか知りたかった。

中国へ行っていつも思うのが、基本的にみんなリラックスしていて楽しそうだ、ということです。笑顔で街を歩いている人もたくさん見かけるし、お店で働いている人でも日本ほどガチガチしていなくて、店員さん同士でもお客さんとでも、冗談を言い合いながら笑顔で仕事している人が多いんですよね(マジメに働け!と思う人もいるかもしれませんが)。自分にとってはそういうリラックスした中国の雰囲気がとても合っていたので、中国語を覚えてそこへ溶け込んでみたい、という憧れみたいなものがずっとありました。

 

2、中国にはまだまだ未知が眠っている気がした。

中国は最近になってからようやく国外に解放され始めた国です。日本と歴史的なつながりは深いかもしれませんが、現代中国については、日本であまり知られていないことがまだまだたくさんあります。一般庶民の日常生活や、地理的な知識など、中国国内ですらまだ知られていないことも少なくありません。私はそんな未知が大好きなので、中国語を使ってぜひ自分自身で探索してみたいな、という思いが、中国語学習のモチベーションの一部になっていました。

 

3、悔しい思い出。

中国語がうまくできなくて悔しい思い出をした経験がモチベーションになっています。旅行中にうまく質問ができなかったり、質問できても返答が聞き取れなかったり、向こうはとても友好的にしてくれているのにお礼を十分に言えなかったり。他にも、中国語できます!とハッタリをかまして参加したボランティアで全く使い物にならなかったり、授業に出てみんな爆笑しているのに、自分だけ笑いのツボが理解できなかった、などなど、コンチクショウという思い出ばかりです。

 

4、何かをとことん突き詰めてやってみたかった。

今までほぼすべてのことを中途半端に終わらせてきたので、中国語もここでやめたら中途半端だぞ、という強迫観念に近いモチベーションがありました。

 

自分にどんな価値があるのかわからなくて不安ですからね。何かを身につけておきたい!と思っていて、信頼できる技術は何かな、と考えた時に思い浮かんだのが、言語でした。それだから、これだけはしっかりやっておこう、と思ってきました。

  

中国語を学んでよかったこと

自分もまだまだ学習途中ではあるのですが、今の時点で「中国語をやってよかったな」と思えることがたくさんあります。

 

1、いろいろな国の人と知り合える

中国語を勉強すると交流できるようになるのは中国人だけではありません。実は、中国語を通して本当に多くの国の人々と知り合うことができるのです。中国政府が世界各地に展開している「孔子学院」などを通して、中国には世界各国の留学生たちが集まってきています。海外の商売人もたくさんいます。英語を使って交流するのが億劫でも、中国語で交流できるとなると何だか気が楽になりますよね。また、日本で外国人と知り合うよりも、中国で知り合う方が明らかに打ち解けやすいです。ここではみんな外国人ですから、おんなじ境遇だ、という仲間意識が生まれるのでしょうか。

これはどちらかというと、「中国留学生活」のよかったことかもしれませんね。ルームメイトだけを見ても、私は過去にサモア人、韓国人、タイ人、タジキスタン人、インドネシア人、マレーシア人、ベトナム人スロヴェニア人などがいました。アフリカからの留学生も非常に多いです。

 

2、旅行の強力な味方

もし中国国内を旅行するときに中国語ができないと、少し苦労することになるかもしれません。基本的にみんな友好的ですが、時にはぼったくられてしまったり、道がわからなくなってしまったりすることも起こりえます。英語が通じる人も多いとは言えないのが中国の現状です。

しかしひとたび中国語がわかるようになると、旅行が驚くほどスムーズになります(まあ、当たり前といえば当たり前ですが)。通りすがりのお宅でお茶に誘われたり、通りすがりのお宅に泊めてもらったり。

今や、海外の観光地ではどこへ行っても中国人を見かけることのできる時代ですから、海外で出会った中国人ともお互いに助け合うことができます。言語がわからない中で知っている言葉が耳に入ってくると親近感を覚えますよね。

 

3、中国の多様なコンテンツに触れることができる

中国のドラマや映画、小説や古典文学などをそのまま原文で味わうのは至福の時です。

また、TikTokなどを見てもわかる通り、現在、多くの流行文化が中国を発信源にして世界に広がっていこうとしています。中国式のユーモアなども相当面白いと思うのですが、こういう文化にナマで触れることができるのは、中国語ができるメリットだと言えるでしょう。

 

 

以上になります。仕事の機会が増えるというメリットもあるかもしれませんが、私は現時点では仕事をしていないので、ここには加えていません。

 

言語の学習は、やれば確実に成果が出て、ゆっくりではありますが自分の変化を感じとることのできるものです。筋トレなどに少し近いかもしれません。日々変化していく自分を眺めながら、何か一つの言語に取り組んでみるのも結構オススメですよ。