作家の開高健は、以前こんなことを書いていました。「最近、暇さえあれば中華料理のメニューを取り出して見て、ずらっと並んだ漢字を眺めては、いろいろと想像をふくらませるのが楽しい」と。
たしかに中国へ行くと、写真付きのメニューを見かけることってあんまりないですよね。
すごく不親切に思うかもしれないけれど、中国ではみんな「見ればわかるから」というのと「もしメニューを見てわからなかったら聞けばいい」という考え方があるから、小さな食堂とかだとそこまでの労力をかけようとは思わないのでしょう。
もし中国語がわからなかったら、漢字を見てどんな料理が出てくるのか自分で想像して、当てずっぽうで注文することになります。
それはそれでスリルがあって楽しいのかもしれないけど。
いざ解読!
炒め物編
「小炒类」とは、お皿に盛られて出てくる各種炒め物のことです。
一皿の「量」については、2〜3人分から4〜5人分まで、地域によって、お店によって大きく異なります。
一般的に言って、北へ行けば行くほど量が増え、南へ行けば行くほど量が少なくなります。
米饭・・・お米です。メニューに書かれていないお店もありますが、言うとたいてい出てきます。
酸辣白菜 ・・・酢と唐辛子で白菜を炒めた、シンプルな炒め物。ピリ辛です。
炒青菜・・・青菜の炒め物。
麻辣豆腐・・・「麻婆豆腐」ではないみたいです。あまり見かけませんが、前回頼んでみたら美味しかったです。豆腐を麻辣に炒めたものです。
酸辣土豆丝・・・全国的に食べられている、家庭の炒め物の定番中の定番。細く切ったジャガイモの炒め物で、パクパクとご飯が進んでしまいます。
红烧豆腐・・・「红烧」は醤油味で濃ゆーく火を通したもの。
西红柿炒蛋・・・これも「土豆丝」と同じように、中国では定番中の定番。「西红柿」はトマトのこと(「番茄」と書かれる場合もある)、「蛋」は鶏の卵のことです。
苦瓜炒蛋・・・ゴーヤと卵を炒めたもの。
青椒炒蛋・・・ピーマンと卵を炒めたもの。
洋葱炒蛋・・・「洋」のネギなので「タマネギ」です。
红烧茄子・・・ナスの甘醤油炒め的な。
家常豆腐・・・「お家の豆腐」的な感じです。これはいろいろな作り方があるので、どんな味のものが出てくるのかわかりません。甘めに炒めたものもあれば、しょっぱい味付けでそのまま出てくることもあるでしょう。
小笋炒酸菜・・・「笋」はたけのこ。「酸菜」は全国的に家庭で漬けられている、菜っ葉の酸っぱいお漬物です。名前だけ見ると客家料理のような雰囲気がします。
鱼香茄子・・・四川料理の代表選手のひとつです。この料理が発明された当時は魚のエキスを使っていたそうですが、現在は魚のエキスなしで「鱼香タレ」を使って炒めることが多いみたいです。
鱼香肉丝・・・こちらも四川料理の代表選手、超定番。「肉丝」とは豚肉の細いスライスのことです。
小笋炒脱骨肉・・・「脱骨肉」というのは何なんでしょうか。調べてみると、「豚のあばら骨まわりのお肉をこそいだもの」ということがわかりました。極めて地域的な呼び方かと思います。
青椒炒脱骨肉・・・ピーマンと「脱骨肉」を炒めたもの。
青椒肉丝・・・チンジャオロースー。これも四川料理の代表選手です。
土豆炒肉丝・・・ジャガイモとロースーを炒めたもの。
黄瓜炒肉丝・・・「黄瓜」はきゅうりのこと。
香菇炒肉丝・・・「香菇」はシイタケのこと。
大蒜回锅肉・・・「大蒜」はニンニクのこと。ホイコーローも四川料理の代表選手です。
炒花哈・・・「花哈」はアサリのことです。おそらくネギやニンニクをまぶしてガッと炒めたもの。
青椒回锅肉・・・ピーマンのホイコーロー。
青椒炒牛肉・・・ピーマンと牛肉を炒めたもの。牛肉が入ると値段がぐっと上がります。
西芹炒牛肉・・・「西芹」はセロリのこと。
红烧鱼・・・鲳鱼という小型の魚を丸ごと一匹醤油味で煮込んだもので、福建料理らしいです。知らなかった。でもどこかで食べたことがありそう。
青椒炒鱿鱼・・・「鱿鱼」はイカのこと。
小鱼酱油水・・・何だこれは。全然聞いたことがない。。調べてみると、醤油やオイスターソースで煮込んだ小魚だそうです。どこか閩南語っぽい名前のつけ方なので、厦門の家庭料理なのでしょう。
红烧带鱼・・・「带鱼」とはタチウオのこと。この辺りでは干物にしたタチウオが出回っています。
水煮肉片・・・こちらも四川料理の代表選手。中国で「水煮」といえば花椒のビリビリしびれるあっさりスープのことを指します。しっかりと量があります。
水煮牛肉・・・「水煮」の牛肉。
スープ編
紫菜蛋汤・・・「紫菜」は海苔のこと。日本のように紙状になっていない状態でスープにぷかぷか浮かんでいます。
西红柿蛋汤・・・定番中の定番。何のスープを頼めばいいのかわからない時にみんなこれを頼む。一番無難な選択肢。
香菇肉丝汤・・・読めますよね。
榨菜肉丝汤・・・ザーサイとロースーのスープ。今の私ならこれを頼みます。
花哈豆腐汤・・・でも友人がこれを飲みたがっていたので、こちらを頼みました。アサリのおダシが出ていてとっても美味しかったです。
酸笋鸭胫汤・・・酸っぱく漬けたタケノコと、、、「鸭胫」?調べてみると、なんとカモの脚だそうです。これは地元の表現ですね。全国的には「鸭掌」と呼ぶ地域の方が多いと思います。
以上になります。
いやー、普段頼まないメニューって、意外と自動でスルーしているもんだと気がつきました。
おまけ
30元以上頼んでくれたら自宅までデリバリーできるよ。
「圆」は円形のこと。
「盒」は入れもののこと。
「个」は個のこと。
つまり、持ち帰り用の入れものは一個0.5元だと言っています。
もし料理を頼みすぎて食べきれなかった場合でも、中国では「打包」と伝えればお持ち帰りすることができます。その時にも0.5元かかるんだな、とわかります。
「支払いが成功したら見せてください。ご協力ありがとうございます」
2に続く
中国語の看板が最低限読めるようになれば、旅行がよりスムーズになります。
速報!中国には「中国4大料理」なんてなかった!?
中国で食べられているあんなお肉やこんなお肉についてまとめました。