こんにちは。
今回もよりによって唐辛子の話です。あまりにもホットな話題なので、ついつい。
さて、大部分の日本人は「辛い中華料理」と聞くとやはり四川料理を思い浮かべるのではないかと思います。
多くの中国人も同じ発想をします。地元の四川人たちも、自分たちが一番辛いものを食べられると信じて疑いません。
少し中国について詳しい人は、いやいや湖南料理の方が辛いに決まっているでしょう、と反論するかもしれません。四川料理なんて実際そんなに辛いわけではないよ、と。
料理に少し詳しい中国人も、やはり同じ発想をします。
しかしこの1年間で、なんとこの2つの地域を上回る、隠されたラスボス的な場所がネット上で注目を集め始めているのです。
それは、、、、
江西省
徹底的に辛さを宣伝する四川省や湖南省に比べて、この江西省のひかえめなこと。
そもそも省としての存在感が希薄なのです。
しかし、ここ最近ネット上に飛び交う情報を整理してみると、江西料理の辛さが、四川料理や湖南料理に比べてケタ違いであることがうかがえます。
四川は麻辣、湖南は香辣、江西はクソったれ辣
四川人民:今日は食欲がないから、おかずに唐辛子を多めに入れよう
湖南人民:今日は食欲がないから、唐辛子を一皿用意してご飯を食べよう
江西人民:今日は食欲がないから、ご飯をおかずにして唐辛子を食べよう
どうやらレベルが全然違うみたいですね。
現地人の声を見てみましょう。
江西人と湖南人のハーフで、四川省にも出張でしばらく滞在したことがあるという方の声:
江西料理は今までずっと知られてこなかったし、ひかえめだった。でも江西人の激辛好きは確かに全国トップだと言えると思う。なかでも一部地域の唐辛子に対する熱愛はもうわけがわからないくらい。
たとえば萍鄉市の朝食で食べる麺、省外から来た人はこれを口に入れることすらできない。吉安の食事は辛すぎてこれまでの人生を疑うことになる。上饒ではスープにでさえ何つかみかの唐辛子をまぶして食べる。
一番衝撃的だったのは萍鄉で牛肉粉を頼んだときのこと。絶対に唐辛子は入れないで、と言ったはずなのに、出てきたものを一口食べたらもう死にたくなった。なんで唐辛子を入れたんだ、って怒ったら、いやいやそれがゼロ辛だからってお店の人に言われた。
いったいどんな辛さなんでしょうか。想像もつきません。
調べていくとどんどん出てきます。
いくら四川人が辛いものを食べられるって言ったって、湖南人と江西人の前ではカスみたいなもんだよ。このまえ湖南省と江西省へ行ったとき、ひとりの四川人として彼らにしっかり教育されてしまった。
贛州についたとき、地元のご飯屋さんに入った。店の主人は俺らの車の広州ナンバーに気がついて、辛いのは食べられる?って気をつかって聞いてくれた。
俺は言った「おやじさん、俺は四川人だよ。だから辛いの食べられるよ。でも中辛でいいや、あんまり辛くしすぎないでね。」
結果、泣きました。辛すぎ。スープの中にさえ唐辛子が入ってる。ヒューマニティがまるでない。
江西九江人。杭州(ゼロ辛エリア)で麻辣香锅を頼んだときに、激辛を注文した。料理を持ってきた店員いわく、厨房でコックが涙を流しながらこれを炒めていたと、そしてあなたは江西人ですかとも聞かれた。もしかしてやばいの頼んじゃったかなって心配になったんだけど、結果的に全然大丈夫だった。このへんの激辛ってたぶん江西省の中辛くらい。
江西上饒人。大学へいくまで、江西省の料理が辛いなんて思ってもみなかった。大学へ行って、四川省や貴州省からやってきた友達に出会った。てっきり彼女らはとんでもなく辛いものが食べられると思っていたんだけど。ある日一緒に火鍋を食べに行った。みんなはめちゃくちゃ辛い辛いって言いながら食べてたけど、私は、え?普通の辛さじゃん、そんなに辛いの?って感じ。
どうやらとんでもなく辛いみたいですね。
江西省、激辛好きにとってはうってつけの旅行先かもしれません。
まだまだ辛さが足りないという方はこちらの記事もご覧になってください。
中華料理と唐辛子の歴史について、意外な事実を記事にしました。
中国激辛料理の代表選手、「火鍋」についての豆知識はこちら。